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2018年08月08日

【環 境】日本郵船 省エネ装置「MT-FAST」が搭載500隻を突破


日本郵船グループのMTIが常石造船と共同開発した省エネ装置「MT-FAST」の船舶への搭載実績が500隻を突破した。また、日本郵船グループ運航船の運航データを分析することで、MT-FASTの燃料節減効果が実証された。

MT-FASTは複数のねじれた形のフィンからなる船体付加物で、プロペラの推進効率を向上させることができる。
船舶は、エンジンの動力によりプロペラを回転させ、海水を後方へ押し出すことで進行方向の力に変換して推進する。しかし回転力を推進力へと変換する際に、施回流と呼ばれる渦が発生し、推進効率を低下させる。
MT-FASTをプロペラ前方に取り付けることでプロペラに流入する水流を整え、プロペラ後方で発生する施回流を低減させることができる。その結果、プロペラの推進力を向上させ約4%の燃料節減を可能にする。

MT-FASTは新造船だけでなく既存船にも取り付けることができる。2008年以降、常石造船の竣工船と日本郵船グループが運航するばら積み船やコンテナ船を中心に着実に搭載実績を積み上げ、今回500隻に到達した。これまでの累計で燃料消費削減量は約447,000トン、二酸化炭素(CO2)排出削減量は約1,341,000トンと算出している。

日本郵船グループはMT-FASTの実海域上での省エネ効果についてSIMS(※)を用い検証した。燃料節減効果を把握するため、同航路・同気象海象条件のもとでMT-FAST搭載船舶とそうでない船舶の2隻を並走させて検証したところ、4.8%の燃料削減効果が確認できた。

グローバルに事業活動を行う日本郵船グループにとって、地球環境問題は最重要課題の一つである。今後もメーカーと共に環境負荷の低減につながる技術開発を推進する。また、同年3月に発表した新中期経営企画“Staying Ahead 2022 with Digitalization and Green”に基づき、新たな価値創造を通じて企業と社会の持続的な発展と成長を目指す。

※ SIMS (Ship Information Management System)
運航状態や燃費、機器の状態など、毎時間の詳細な本船データを船陸間でタイムリーに共有するための同社グループが開発した装置

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:50| 環境配慮型輸送用機器【内容】