<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2018年05月17日

【環 境】川重冷熱工業 貫流ボイラのドライ式低NOx水素専焼技術を開発


川重冷熱工業は川崎重工と共同でNOx排出値が世界最小レベルのドライ式低NOx水素専焼バーナを開発し、平成30(2018)年3月から同社滋賀工場にて実施した貫流ボイラ実機による燃焼試験において、低NOx性能を確認した。
 
水素は燃焼時にCO?を排出しないが、火炎温度が高いことから天然ガスの燃焼時に比べ約3倍のNOxが発生する。従来の水素専焼バーナでは、燃焼室への蒸気噴霧や排ガス再循環(以下:EGR)により、火炎温度を下げることでNOxの発生量を抑えているが、このための機器の追加設置が必要な点や、NOx低減効果に限界があるなどの課題があった。

これらの課題を解決するために、川崎重工の水素焚きガスタービンの開発で得られた水素燃焼に関する知見を活かし、蒸気噴霧やEGRを必要としないドライ式を採用、また独自の水素と空気の混合方式を開発することで、ボイラの燃焼条件となる低空気比においても天然ガス焚き並みの低NOx性能を実現した。今回の燃焼試験では、水素専焼バーナを貫流ボイラ実機に組み込み、換算蒸発量750kg/h出力の水素燃焼を実施し、定格負荷においてNOx発生量が天然ガス焚きボイラの保証値60ppm(O?=0%換算)を大きく下回る40ppm程度に抑えられることが確認できた。

川重冷熱工業の貫流ボイラは、天然ガスなどを燃料とし、全国の化学工場や製鉄所などにおいて豊富な実績を有している。水素は石油化学プラントや製鉄所、苛性ソーダなどの生産工程において副産物として発生しているが、本燃焼試験での確認により、これら未利用エネルギーを貫流ボイラにおいて有効利用できるようになり、工場の燃料コストの低減、およびCO?排出量ゼロと低NOxの両立による環境負荷の低減を実現する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み【機関】