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2018年04月23日

【流 通】帝人とマキタ 内圧式クーリング構造によるファンジャケットを世界で初めて開発


帝人とマキタは共同で、外側と肌側の2層構造の生地の間に空気を通す内圧式クーリング構造によるファンジャケットを世界で初めて開発し、グローバルに展開する。

2015年12月の労働安全衛生法の改正以降、働き方改革の一環として、各企業が労働環境の改善に取り組む中、地球温暖化やラニーニャ現象の影響もあり、酷暑下での労働環境の是正が喫緊の課題となっている。こうした背景から、2014年以降、ファンの付いた空調機能を有する衣服の需要が国内外で急増している。しかし、従来の空調機能付き衣服は、外から取り込んだ空気を一旦衣服内に滞留させるため、襟元や手首、胴の裾などを締めつける必要があり、衣服の膨らみによる作業性の低下も大きな問題となっていた。

こうした中、帝人が有する冷感・吸汗速乾機能を備えた高機能素材やウェアを設計・評価する技術と、マキタが有するファンユニットの製造ノウハウやバッテリーシステムとを融合することにより、従来の課題を解決する新たなファンジャケットを共同開発することとした。

今回開発されたファンジャケットは、前面と背面を覆う2層構造の生地の間に外から空気を取り込み、ジャケット全体に行きわたらせることで衣服の膨らみを極小化して、作業効率を向上させることができる。帝人が有する縫製品の評価技術を用い、裏地全体からの通風に加え、血液循環に最も有効な首の付け根や、腋下、胸元などに排気口を配置することで空気の流れをコントロールし、優れたクーリング効果を発揮する。

袖口や首元のジッパーを締めつける必要がない構造であるため、これまでファンジャケットとしての機能性の確保が難しかったベストタイプにも対応でき、また、撥水性、伸縮性、帯電防止など、ニーズに応じた機能性を付与することが可能。使用されているファンユニットは、マキタが新たに独自設計したもので、厚さは39.5mmと従来品に比べて5.5mm薄くなっている。

さらに、マキタが独自開発した専用のバッテリーユニットにより同社製の電動工具と相互に融通することができる。2018年4月中旬よりマキタが販売を開始する。帝人を介した顧客開拓の第1弾としては、商船三井グループである商船三井近海株式会社が中東航路で運航する1隻の商船において、酷暑下で勤務する乗組員用のクーリング作業着として今春より試験的に導入される予定となっている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通