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2017年11月20日

【知 識】ネット・メディア・AI活用し防災・減災をめざし「電脳防災コンソーシアム」設立


慶應義塾大学環境情報学部山口真吾研究室、情報通信研究機構、防災科学技術研究所、ヤフー及びLINEは、国民生活に身近なインターネット・メディア・人工知能(AI)を積極的に活用する防災・減災をめざして電脳防災コンソーシアムを共同で設立した。コンソーシアムは、被災者・避難所の支援につなげるための災害情報に関する課題整理などを行い、政策提言をとりまとめる。第1回会合は2017年11月中に開催する予定となっている。

迅速かつ円滑な災害応急対策や被災者支援には、正確な情報分析・共有が不可欠であるが、実際の現場は、絶望的な情報不足に陥るか、または時々刻々と変化する膨大な情報で混乱状態になる。情報通信技術(ICT)が発達しているにもかかわらず、被災者と行政機関を結ぶ「命綱」は音声電話しか用意されていない。情報は災害対策本部に集約されることになっているため、行政機関が麻痺すれば地域全体の活動が停滞する。

災害対策本部のホワイトボードで整理された情報は、わずか数メートル圏内の人間しかアクセスできない。 このような情報不足と情報過多の問題、コミュニケーションのボトルネック問題、情報整理方法のレガシー問題を解決するためには、もはや最新の情報通信技術の抜本的導入を真剣に検討せざるを得ない状況になっている。

スマートフォンが生活の中心となった現代社会において防災・減災を究めるためには、インターネット・メディア・AI(以下「インターネット等」)の積極的な活用が不可欠である。また、平時の防犯、セキュリティ、大規模事故、雑踏事故、パンデミック、テロ等のリスク対策においても、インターネット等が大いに期待されている。
 
こういう状況の中、一部のインターネット企業においては、スマートフォン利用者への災害対応サービスを展開している。また、政府では、膨大な災害情報の分析を可能とするため、AIによってSNS情報を分析するプロジェクトが進められている。

しかし、オールジャパンの取組としてインターネット等を防災・減災に役立てるためには、断片的に進められている産学官の取組の連携、組織縦割りを排した情報共有体制の確立、官民の情報システムのネットワーク化、最新技術に関する周知啓発、災害情報に関する標準化といった課題が山積している。

電脳防災コンソーシアムでは、これらの課題解決に向けて議論をリードし、政府・地方公共団体・指定公共機関と連携することによって、防災力強化を実現する政策提言をめざす。また、関連する地域実証プロジェクトを支援することにより、防災・減災における課題解決とイノベーション実現に貢献する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識