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2017年10月25日

【流 通】東京都市大 ボルト・ナットの締め付け力を予測するシミュレーション技術を開発


東京都市大学工学部機械工学科の岸本喜直講師ら研究チームは、データベースに頼らない剛性(※1)の予測・評価を可能にするため、締め付けたボルト・ナットをハンマーなどで叩いた際に生じる振動速度を、コンピュータ上で予測するシミュレーション技術を開発した。

これにより、材質の強度(※2)に応じたボルト・ナットの締め付け力を計算によって求められ、工程の短縮が可能となる。さらに、この技術を既設構造物に用いることで、保守管理の省力化とともに、熟練技術者不足の解消も期待できる。

つなぎ目における微小な凹凸が及ぼす剛性応力(※3)分布への影響を、数理的に見積もる力学モデルを開発した。同力学モデルに基づき、機械の剛性と応力状態を演繹的に計算されるマルチスケール・シミュレータ(※4)とデータ同化(※5)技術と組み合わせることで、機械全体の剛性、つなぎ目の微小な凹凸、つなぎ目の応力分布の三者を関連付けることに成功した。

※1 剛性
材料の変形のしにくさを表す指標。剛性が高いと叩いたときの振動の速さが速くなる。身近な例はピアノの弦。弦は短く張ると変形しにくく(剛性が高く)なり、鍵盤で叩いた時の振動が速くなるので、高い音が出る・逆に長く張ると、剛性が低く振動が遅くなるので低い音が出る

※2 強度
材料の壊れにくさを表す指標

※3 応力
材料に外力が作用した時に、材料内部に外力に応じて発生する単位面積あたりの力

※4マルチスケール・シミュレータ
材料の微視的な性質と、機械の巨視的な性質を関連づけて解析するシミュレーション手法

※5 データ同化
シミュレーションによる予測を行う際に、適宜実測値を入れることで補正を行い、シミュレーションの精度を改善する手法。(代表例:気象シミュレータ)

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通