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2017年10月17日

【流 通】睡眠習慣改善のための人工知能を活用したWebアプリを開発


NECソリューションイノベータは、人工知能(AI)を活用した睡眠習慣の改善を支援するWebアプリを開発した。このアプリは、利用者が記録した睡眠状況や生活習慣に応じて、睡眠習慣の改善につながるアドバイスを提示する。また、利用者のアドバイスに対する取り組み結果をAIによって分析し、アドバイスの的確性向上を図る。

NECソリューションイノベータは、このアプリの効果を検証するため、個人の利用者を対象に、同アプリを活用した「睡眠習慣改善プログラム」の実証実験を2017年10月より開始する。このプログラムは、不眠のための認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia、以下CBT-I)にもとづき、CBT-Iの専門家である早稲田大学人間科学学術院 岡島義 助教との共同研究により開発された。

今後NECソリューションイノベータは、睡眠に関心のある人や悩みを抱える人々に向けた更なる機能拡充を行い、事業化を目指すとともに、同アプリをとおして人々の睡眠習慣の改善を支援し、健康に関する課題の解決に貢献していく。

近年、睡眠不足が人の心身に与える影響が問題視されている。慢性的な睡眠不足は、日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだけではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼし、質の悪い睡眠は生活習慣病の罹患リスクを高め、かつ症状を悪化させることが明らかになってきている。(※1)

NECソリューションイノベータは、働く人のこころとからだの健康をICTで支える取り組みのひとつとして、人々の生活の質に大きく影響する「睡眠」を対象とした研究開発を進めてきた。2016年3月には、CBT-Iの基本である睡眠状況の記録と、快眠に関する学習情報の提供を行うスマートフォンアプリ「睡眠日誌」を無償で公開し、これまでに10,000人を超えるユーザーが利用している。こうした状況を受け、睡眠習慣への人々の関心が高いと判断した同社は、「睡眠日誌」の機能を拡張し、睡眠改善のためのアドバイスを行うWebアプリを開発した。また、同アプリを活用し、睡眠の課題解決を目的とした2週間の「睡眠習慣改善プログラム」を開発した。開発したWebアプリの特長は以下の2点。

1.利用者ごとに最適化された睡眠習慣改善アドバイスと睡眠衛生(※2)についての学習情報の提供
利用者が記録する睡眠状況や生活習慣の情報にもとづいて、睡眠習慣の改善に向けた課題と対策を提示。この対策への取り組み状況を収集し睡眠状況が改善した結果を、AIを用いて分析することにより、課題と対策の的確性を向上させる。また、利用者が取り組んでいる対策の内容に応じて、睡眠衛生に関するコラムを提示する。なお、この課題と対策の提示をWebおよびメールのみを使って行った場合、臨床医が対面で実施する場合と同程度の睡眠改善効果がある可能性が示されている(2016年10月の日本認知・行動療法学会、2017年3月の日本行動医学会総会において発表)。

2.利用者の記録や対策実施状況に対する評価・コメントの提供
睡眠習慣改善アドバイスで提示された対策に取り組んだ際の睡眠状況の記録、取り組みの達成状況や利用者の睡眠の健康度などに対して専門家が評価し、コメントを提供する。また、課題にうまく取り組めない利用者に向けたアドバイスも提供する。

※1 厚生労働省「e-ヘルスネット」より
※2 質の良い睡眠をとるために推奨される行動・環境の調整技法

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通