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2017年09月19日

【環 境】NEDO 世界初の追尾集光型太陽エネルギー回収システムを開発・実証実験開始


NEDOとアクトリーは、太陽光による発電と、太陽熱による熱回収を同時に行う追尾集光型太陽エネルギー回収システムの開発に成功し、アクトリー本社敷地内で実証実験を開始する。これまでソーラーパネルによる発電システムや、集熱器等により太陽熱を40℃程度の温水として熱回収するシステムはそれぞれ存在していたが、太陽光による発電と60℃以上の高温水を用いた太陽熱の熱回収を同時に行う架台設置型ハイブリッドシステムの開発は世界で初めてとなる。

アクトリーは、NEDOの「ベンチャー企業等による新エネルギー技術革新支援事業」において平成28(2016)年度に採択され、石川県工業試験場、東京大学先端科学技術センターと共同研究体制で、高効率発電モジュールと光学シミュレーションによる独自の集光技術を開発し、これらを組み合わせた新しい太陽エネルギー回収システムを開発した。同システムは、GPSを搭載したパラボラ型の反射鏡が1列に4個並んで6列で1ユニットを構成し、1列ごとに太陽の方向に向きを変えるため、高い集光率が得られる。更に同システムの特徴として、集光した太陽エネルギー量のうち、25%を電気として、40%を熱として回収するため、太陽エネルギー変換効率はあわせて約65%にも上る。アクトリー本社敷地内に8ユニット(13kw規模)を設置し、新システムの性能や実用性、遠隔制御によるシステム保守運用の有効性の確認を行うことを目的に、平成29(2017)年9月より本格的に実証実験を開始する。

今後は同様のシステムを栃木県のアクトリーR&Dセンターと、宮城県のイチゴ農園施設に設置して、気候の違いによる性能効果について比較し、これら一連の実証実験結果をもとに、「iU-SOALA(インテリジェンスユニット ソアラ)」として商品設計を行い、平成30(2018)度の事業化を目指す。また、1ユニットの設置面積は15uとコンパクトであり、電気と温水を利用する農業ハウス、養殖施設、福祉施設、コンテナ式データセンターなどへの用途への利用が見込まれる。さらに、遠隔制御によってシステム保守運用を行うため、山岳エリアや離島での需要も期待される。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み 【機関別】