<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ
2017年08月25日

【流 通】高い透明性と難燃性を両立する水性塗料を開発


大日技研工業は、帝人、大丸興業と共同で、リン系難燃剤「FCX−210」(※)を使用した水性透明難燃塗料「ランデックスコート 難燃クリア」を開発した。ノンハロゲンアクリル系水性透明難燃塗料として、木材だけでなく、紙、繊維、ゴム、プラスチックなど幅広い可燃物の表面に塗布するだけで、自然の風合いを維持しながら、高い透明性と高い難燃性の両立を実現したのは世界で初めて。

2010 年に「公共建築物等木材利用促進法」が施行されて以降、大規模木造建築物に注目が集まっているが、防火・耐火面での課題からさほど広がっておらず、住宅火災は年間 11,000 件を超え、それによる死亡者は約 900 人に上る(平成 28 年消防庁統計)。そのうち 65 歳以上の高齢者が約 70%を占めていることから、火災時の逃げ遅れを防ぐため、建材に加え、室内で使用される木造製品や紙製品、布などにも簡単に高い難燃性を付与できることが求められている。

木材に難燃性を付与するには難燃剤を含浸させるのが一般的だが、それでは時間の経過とともに難燃剤が表出し、本来の風合いや外観の維持が難しい点、それを防ぐためにアクリル系コート剤を塗布するが、これは可燃性が高く、安全性の問題から使用が限定的であるという課題があった。
一方、可燃物の表面に塗布するだけで難燃効果を発揮することから、難燃塗料も広く使用されているが、不透明なものが多く、本来の風合いや外観を損なうこともあるうえ、添加する難燃剤により塗布できる材料が限られることから、幅広い材料に適用できる透明性の高い難燃塗料が求められていた。

こうした中、水性無機質高分子塗料のパイオニアである大日技研工業は、帝人が保有する優れた難燃剤技術と、大丸興業が扱う特殊アクリル樹脂を組み合わせることにより、幅広い可燃物に対し、本来の風合いを維持しながら、高い難燃性を付与できる水性透明難燃塗料「ランデックスコート 難燃クリア」の開発に成功した。

※ リン系難燃剤「FCX-210」
帝人独自の分子設計で開発したリン系難燃剤。高い耐熱性や、少量でも高い難燃性を付与できるなどの特長により、OA機器や家電製品、自動車などに幅広く展開している

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通