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2017年08月23日

【知 識】アフラックと日立製作所 がんの早期発見・早期治療社会をめざして協創


アフラックと日立製作所(以下、日立)は、がんの早期発見・早期治療社会の構築に向けた協創を開始する。

両社で、日立が有する尿中代謝物によるがんの識別技術(※1)の活用方法、およびがんの早期発見・早期治療を促進する新しい保険商品・サービスの創出に向けた検討を行うことで、より健康で豊かな社会への貢献をめざす。

現在、がんは日本における死因の第1位(※2)で、生涯のうちに約2人に1人が罹患する(※3)と推計されている。早期発見での治療ほど治癒する可能性が高いことから、厚生労働省の「がん対策推進基本計画(※4)」の施策では、積極的ながん検診の受診が促されている。一方、日本のがん検診の受診率は約30%から50%(※5)と欧米諸国と比較すると低い状況にあり、内閣府の調査(※6)によると、その理由として、「受ける時間がない」「検査に伴う苦痛に不安がある」といった声があげられている。

アフラックは、日本初のがん保険を発売した保険会社として、これまで多くのがんと闘う方々を応援してきた。小児がんなどの難病と闘う子どもたちとそのご家族を支えるために建てられた「アフラックペアレンツハウス」や、がんの正しい理解の促進とがん検診の受診率向上を目的とした「がんに関する啓発活動」を全国の自治体と連携して行うなど、長年がんとともに歩んできたアフラックならではの強みを活かし、さまざまなサポートを展開してきた。

日立は、尿中代謝物の解析によりがんを早期発見する技術の研究にいち早く取り組み、誰もが簡便にがん検査を受けることができる技術の確立をめざしている。

今回、両社は、日本最大のがん保険契約件数を有するアフラックのがんに関する豊富なデータや知見と、日立が研究を進める尿中代謝物によるがん患者の識別技術や日立独自のサービスデザイン手法である「NEXPERIENCE(ネクスペリエンス)」(※7)、アナリティクス技術などの先端ITを組み合わせて、がんの早期発見・早期治療社会の構築に向けた協創を開始する。具体的な取り組み内容は、以下の通り。

1.尿中代謝物によるがんの識別技術の向上に向けた検討
日立は、新たな解析技術を導入するなど、解析フローの安定性や解析技術の向上に向けて、研究開発を強化しており、今後、医療機関との共同研究のもと、まずは乳がんを対象として、尿によるがんの識別技術の向上に向けた研究開発を進める。今回の協創では、識別結果の可視化方法や、乳がんのほか、今後研究するがんの種類の選定などを共に検討する。

2.がんの早期発見・早期治療社会の構築に向けたがんの識別技術の活用方法を検討
がんの早期発見・早期治療社会の構築に向け、尿中代謝物解析によるがんの識別技術の最適な活用方法を検討する。例えば、がん検診の受診を促すための、がんの識別技術を活用したプレスクリーニング検査方法やその最適な提供スキーム、プレスクリーニング検査後のサポート内容などを検討する。 なお、提供スキームの検討には、日立独自のサービスデザイン手法である「NEXPERIENCE(ネクスペリエンス)」を活用する。

3.新しい保険商品・サービスの創出に向けた検討
将来的には、がん検診の受診を促すためのプレスクリーニング検査の普及およびプレスクリーニング検査後の健診センターなどへの連携、医療機関でのがん治療に応じた保険金の給付、治療後の定期的なプレスクリーニング検査の提供など、がんの早期発見から治療費の保障、治療後のアフターケアまでのトータルサポートを実現する新しい保険商品・サービスの創出に向け、検討を進める。
 
※1尿中の代謝物を網羅的に解析することにより、健常者、乳がん患者および大腸がん患者の尿検体を識別する基礎技術
※2厚生労働省「平成28年(2016年)人口動態統計の年間推計(2016年12月)」
※3国立がん研究センター「最新がん統計(2016年8月)」
※4厚生労働省(2012年6月)
※5厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査」性別およびがんの種別ごとにみたがん検診の受診状況のこと。
※6内閣府「がん対策に関する世論調査(平成28年11月)」
※社会イノベーション事業で、顧客との協創過程を「ビジョンの共有」と「新コンセプトの創出、プロトタイプ開発とデモンストレーション」という2段階に大別し、過程ごとに適した手法とITツールを体系化。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識