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2017年04月03日

【アジア】東芝 台湾中央気象局向け気象レーダを受注

東芝は、台湾中央気象局が台南市七股区に設置する気象レーダについて、主契約者のスペインのGECI GROUP(以下、GECI社)と台湾のHigh Bound Co., Ltd.(以下、High Bound社)と3社共同で受注した。東芝が台湾での気象レーダの受注するのは初めてで、設備は2019年に稼働する予定。

今回受注したレーダは、気象観測目的としては世界最大規模の直径8mを超えるアンテナを有するS帯固体化二重偏波気象レーダで、半径約400kmの降雨の観測が可能。東芝が気象レーダを提供し、GECI社がシステムインテグレータとして全体を取りまとめ、High Bound社が現地工事を実施する。

同レーダが採用する二重偏波方式では、水平方向から雨粒を観測する従来の単偏波方式に加え、垂直方向からも雨粒を観測することにより、降雨強度の観測精度を向上させることができる。さらに、電子管を使用する気象レーダと比べて送信出力が小さい固体化気象レーダにおいて、高出力の電力増幅モジュールと高効率な電力合成により、電子管と同等以上の平均出力を実現した。固体化気象レーダの採用により、電子管の定期交換が不要となり、ランニングコストを低減する。入札には海外の競合企業も参加したが、技術審査、価格評価を経て受注に至った。

台湾は台風の通り道に位置し、ほぼ毎年のように台風の被害を受けている。台風による被害では、豪雨に伴う洪水や土砂崩れの発生により被害が拡大することもあるため、台湾中央気象局において高精度な気象レーダのニーズが高まっていた。

また、近年、地球温暖化や都市化により世界各国で豪雨による被害が深刻化している。東芝は、台風や豪雨の高精度な観測を可能とする固体化二重偏波気象レーダの販売を世界に拡大することで、早期の避難警告等につながる高精度で信頼性のある気象情報の提供を実現し、豪雨被害の低減に寄与している。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| アジア