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2017年02月28日

【流 通】印刷技術で圧力と温度を同時検出できるフレキシブルシートセンサーを世界で初めて開発


NEDOと次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA)は、印刷技術で圧力と温度の面内分布を同時に検出できるフレキシブルシートセンサーの開発に世界で初めて成功した。

JAPERAは、フレキシブル、軽量かつ高解像度という特徴を生かし、リハビリ・介護支援などのヘルスケアセンサーへの応用を目指す。将来、圧力と温度以外にも摩擦等の物理センサーやバイオセンサーを組み合わせることができれば、センサーによる人の皮膚感覚を備えたロボットスキンの実現が近づく。

NEDOプロジェクト(※1)で次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA)は、フレキシブルデバイスの基盤となる高度TFT(※2)アレイ印刷製造技術を開発し、全印刷連続一貫生産ラインによるフレキシブルTFTアレイシートの製造工程を確立してきた。印刷によるデバイス製造は、真空や高温を駆使して多量のエネルギー・資源を消費する既存のデバイス製造プロセスからの脱却を図り、省エネルギー・省資源化を実現するとともに、大面積・薄型・軽量の多種多様なフレキシブルデバイスの生産を可能にする。

今回、JAPERAは、印刷製造したフレキシブルTFTアレイシート上に、感圧層(※3)と感温層(※4)をパターン印刷することによって、微細な感圧部と感温部を面内に高密度に配列した、圧力・温度同時多点検出シート型センサーの開発に世界で初めて成功した。フレキシブル、軽量かつ高解像度という特徴を生かし、例えば、靴底やベッドなどに装着することによって、運動時の荷重バランス・疲労度センシングや、リハビリ・介護支援センサーなどへの応用を目指す。将来、圧力と温度以外にも摩擦等の物理センサーやバイオセンサーを開発し、組み合わせることができれば、センサーによる人の皮膚感覚を備えたロボットスキンの実現が近づく。


※1 NEDOプロジェクト
次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発(2011〜2018年度)

※2 TFT
薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)の略で、3端子スイッチング素子であるトランジスタの構造を概ね1μm以下の厚さの
薄膜を積層することによって形成したものです。従来のSiに代わり、半導体に有機材料を用いた有機TFTは印刷形成可能性
や低温プロセス性の点で注目されていますが、実用的な製造技術は確立されていなかった

※3 感圧層
圧力の印加によって、物性値が変化する材料からなる層で、ゴム材の中に導電粒子を配合した感圧ゴムが抵抗方式の代表
的なものとして知られています。この他に、静電容量方式、電磁誘導方式などがある。

※4 感温層
温度によって物性値が変化する材料からなる層で、代表的なものとして金属酸化物からなるサーミスタが知られている

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:59| 流通