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2017年02月17日

【流 通】安藤ハザマ 運用中の鹿野川ダムリニューアル工事で有人による水中作業を低減


安藤ハザマは、鹿野川ダム(※1)のリニューアル事業のうち、取水塔の躯体工事を完了した。この工事は、ダムを運用しながら発電取水用の既設取水塔を撤去し、新たに選択取水設備を構築するもので、同様の工事としては、国内で初めて仮締め切り(※2)を設置せずに工事が行われた。安藤ハザマは下記の技術や工夫により、安全性、品質の確保と作業の効率化を実現した。
 (1) 無人で水中でのチッピング(※3)を可能とする「あざらし(R)」(※4)の活用
 (2) 陸上での部材の事前構築

ダムを運用しながらのリニューアル工事の多くは、大規模な仮締め切りを設置してドライな状態にするか、もしくは潜水士による水中作業によって行われる。しかし、仮締め切りの設置工事は時間やコストがかかり、潜水士による深い水の中での作業は安全性の課題に加え、視認性の悪さから、品質確保と作業効率にも課題があった。

今回、仮締め切りの設置をしない水中作業が主体の工事において、安藤ハザマは安全性と品質の確保、および作業効率の向上を実現した。この実績を活かし、今後計画されるダムのリニューアル事業に積極的に取り組む。

※1 鹿野川ダム
鹿野川ダムは、一級河川「肱川(ひじかわ)」上流の愛媛県大洲市に位置する。1958年に建設された重力式コンクリートダム。今回の工事名は「平成24−27年度鹿野川ダム選択取水設備施設外新設工事」

※2:仮締め切り
水中に構造物をつくる際、陸上と同じ条件で工事を行うことができるよう水の浸入を防ぐための仮設構造物

※3:チッピング
選択取水塔などの更新工事の場合、新規に構築されるコンクリート構造物と既設堤体との密着性を高めるために、既設堤体のコンクリート表面を凹凸状になるように削る作業

※4:「あざらし(R)」
安藤ハザマと栗田鑿岩機と共同開発した、無人で水中のコンクリート表面をチッピングする機械。水中攪拌機を取り付けることにより、既設堤体にスパイキーハンマーを押し付けてチッピングする。次の特長を有している。
 [1]貯水池を運用しながらの施工が可能
 [2]仮締め切り工事を実施しないため、工程短縮およびコスト削減が可能
 [3]作業効率は人力の約3倍(試験施工時)

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通