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2017年02月14日

【アジア】堀場製作所と日立造船 ミャンマー国で河川水質汚濁の改善事業を共同で実施

堀場製作所と日立造船は、政府の成長戦略の一環として、アジア域内の水ビジネス市場への進出を支援することを目的とした環境省の「平成28 年度アジア水環境改善モデル事業(現地実証試験)」の公募に対し、共同で事業提案を行った。

この事業提案では2015年より、ミャンマー連邦共和国(以下、ミャンマー)のワンディン市にある染色工場周辺の河川汚濁状況や事業性などの調査を行い、2016年3月に両社提案が採択され、2017年1月より、堀場製作所の水質モニタリング機器、日立造船の排水処理設備を使用した水質改善の実証試験を開始する。

今回の事業は、ミャンマーの染色工場の排水による水質汚濁改善をめざし、堀場製作所と日立造船が有する水環境改善技術を現地におけるビジネスとして具現化するとともに、ミャンマーの繊維・織物産業の発展と環境保全の推進をめざす。

ワンディン市は、ミャンマーの民族衣装であるロンジーの織物工場が集中しており、染色工程からの排水により周辺河川の水質汚濁が問題となっている。この織物工場は、市内に約6,300カ所あり、その10%となる約630の工場が染色工程を有している。

また、ミャンマーでは、具体的な工場排水に対する規制や基準、罰則規程が定まっておらず、排水処理設備の無い工場がほとんどであり、排水処理設備の維持管理等を実施できる事業者も少ない。

このような状況から、水質の計測・分析技術を保有する堀場製作所は、以前より、ミャンマーでの環境調査を進めていたことから、今回の事業の提案者となり、環境省の支援を受けて、日立造船と共同で、実証試験を開始することになった。

今回の事業は、ミャンマーの産業発展にともない発生した水質汚濁の改善のため、排水処理および水質モニタリングシステムの実証試験設備を導入する。また、染色排水による水質汚濁の改善および運転管理業務、維持管理業務を行う現地技術者の指導を行う。

現在のミャンマーは、今後も経済成長が期待され、その過程において発生する環境問題を未然に防ぐための規制を整える準備段階といえる。堀場製作所と日立造船の技術がミャンマー国内で浸透することで、水質汚濁の改善と防止を行い、また、現地オペレータおよびメンテナンス業者の技術向上を図ることで、環境規制・排出基準の制定を推進し、今後もミャンマーにおける染色産業の発展に貢献する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| アジア