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2017年02月10日

【流 通】凸版印刷 オフセット印刷の工程で紙幣に真贋判定可能な機能を付与する高セキュリティインキの販売開始


凸版印刷は、オフセット印刷の工程で紙幣に真贋判定可能な機能を付与する高セキュリティインキを開発した。2017年2月中旬から本格的な販売を開始する。

本格販売に先立ち、メキシコ銀行が2017年2月5日に発行した、メキシコ立憲100周年記念紙幣のセキュリティ技術として採用された。また、メキシコ銀行は、十分な検証や加工試験行った上で、同製品を、2018年以降に順次発行する新シリーズのメキシコペソ紙幣におけるセキュリティ技術として採用することも決定した。

今回販売する製品は、紙幣印刷用のインキに少量加えるだけで、その色や印刷適性に影響を与えることなく、近赤外線光源を用いた真贋判定効果を実現する。近赤外線は可視光線に近い特性を持つ電磁波で「見えない光」として、赤外線カメラや赤外線通信、家電用のリモコンなどに使われている。

通常のインキで印刷された絵柄は、近赤外線光源下では視認できないのに対し、同製品を混合したインキで印刷された絵柄は近赤外光源下で視認可能なため、紙幣処理機やATM、紙幣検知器に搭載された赤外線センサーで読み取ることで、簡単に真贋判定ができる。また同製品は、高いセキュリティ性に加え、紙幣流通に求められる高い耐久性を備えている。

従来、このような紙幣用の機械読み取り真贋判定技術を導入するためには凹版印刷を利用するのが一般的だったが、今回、従来培ってきたセキュリティ技術や加工ノウハウを用いることにより、日本企業として初めて、オフセット印刷向けインキの製品化に成功した。オフセット印刷は凹版印刷に比べ、印刷時のインキ使用量が少なく、従来の類似セキュリティインキと比較して5分の1以下の使用量で効果が発揮できるため、大幅な運用コスト削減が可能になる。

世界各国で発行される紙幣には、偽造を防ぐため、数々のセキュリティ技術が用いられているものの、カラーコピーなどの簡易な偽造にとどまらず、精巧な偽造紙幣も少なからず発見されている。これらの偽造紙幣を検知し、被害を抑制する必要性が高まっていることから、容易かつ精確に真贋を判定できるセキュリティ技術が重要視されている。

凸版印刷は従来、有価証券やパスポートなど高いセキュリティ性が求められる製品に向けた偽造防止技術や認証技術を開発し提供しており、国内外に多数採用されている。今回、オフセット印刷の工程で紙幣に真贋判定可能な機能を付与するセキュリティインキを開発したことにより、高いセキュリティ性を保ちながら製造コストを大幅に削減。導入負荷を軽減した。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通