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2017年01月20日

【流 通】NEC 機密情報の漏えいを強固に防止する秘密計算の高速化手法を開発


NECは、データを暗号化したまま処理し、機密情報の漏えいを強固に防止する秘密計算において、「処理速度が飛躍的に向上する基本アルゴリズム」および「データベースでの集計を可能にする高速な検索方式」の2つの手法を開発した。

秘密計算はデータを暗号化したままで処理する技術で、中でも「マルチパーティ計算」は、複数サーバに鍵などの秘密情報を分散(秘密分散)させて秘匿し、秘匿したままデータ処理できる。しかし、処理速度が非常に遅いため、"理論"のままで実用には至っていない。

今回、開発した基本アルゴリズムは、マルチパーティ計算で秘密分散を行う際、各サーバへ分散するデータ量を2倍にし、通信を行わずにサーバ内で計算する割合を増やしてサーバ間の通信量を削減し、処理速度を大幅に向上させる。これにより、秘密鍵を秘匿したままの認証処理で従来比14倍の高速化を実現し(※1)、10万人規模の認証システムにおいても利用可能になる。

また、今回、マルチパーティ計算でデータベースの集計を可能にする、高速な検索方式も開発した。これにより、データの選別(フィルタリング処理)から集計処理までを行う、マルチパーティ計算による分析用データベースを世界で初めて(※2)実現した。暗号化しない場合と比較して6倍のサーバリソースで同程度の処理速度を達成する。

これらの技術を用いて、複数組織から集めた情報の分析など、データマイニングによる大量かつ複雑な処理を高いセキュリティで実現するデータ活用基盤の構築が可能になる。

今後、NECは同技術による秘密計算の基本性能をさらに向上し、生体認証情報や顧客情報、住民情報など機密情報の活用と保護が求められるアプリケーションへの適用を拡大していく。

※1 最高性能の他社の秘密計算方式(2016年)と比較して、14倍の処理速度を達成
※2 2016年12月1日現在 NEC調べ

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 流通