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2017年01月11日

【環 境】日本製紙 スギ特定母樹からの苗木を生産する大規模採穂園を造成


日本製紙は日本製紙木材とともにスギ特定母樹(※)からの挿し木苗の本格生産を行うため、大規模な採穂園の造成、早期増殖の取り組みを始めた。

日本の森林は、戦後に植林したスギやヒノキなどの人工造成林が木材に利用できる段階となり、日本製紙が九州地区に所有する約1万8000haの社有林も多くが伐採の時期を迎えた。伐採後の再造林で、「森林の二酸化炭素の吸収作用の保全及び強化を図るためには、再造林の際、従来の種苗より成長にすぐれたものを広く利用していく」とした国の方針に従い、スギ特定母樹を積極的に導入することにした。

日本製紙木材は熊本県知事より認定を受け「認定特定増殖事業者」となり、森林総合研究所林木育種センター九州育種場より配布を受けたスギ特定母樹の増殖に取り組んでいる。一般的な挿し木方法では配布本数以上の挿し木が困難で増殖に時間がかかるが、日本製紙の独自技術である「光独立栄養培養技術」を活用することにより、配布を受けた原種21系統中、14系統の各10枝、計140枝から、植栽可能な824本まで挿し木苗を増殖した。残り7系統の増殖も進めている。

今後、日本製紙八代工場(熊本県八代市)が同県人吉市に所有する土地に、増殖したスギ特定母樹の挿し木苗824本を植栽して順次拡大し、平成31(2019)年までに1万4千本の採穂園を造成、平成30(2018)年より試験植林にも取り組み、平成35(2023)年より年間約28万本の挿し木苗を生産・出荷していく予定にしている。

※スギ特定母樹
「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律(間伐等特措法)」に基づき、森林のCO2吸収固定能力向上のための特性に優れたものとして農林水産大臣により指定され、在来系統の1.5倍以上の成長性、一般的なスギの約半分以下の花粉量、剛性などの材質が指定基準となる。九州地区で21系統が登録されている

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 08:30| 企業の取り組み 【機関別】