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2016年12月28日

【環 境】住友電気工業 自社グループ専用の材料分析実験ステーションが稼働、蓄電池開発などに活用


住友電気工業が佐賀県立九州シンクロトロン光研究センター(※1)内に建設を進めていた材料分析を行うための実験ステーション(ビームライン)が、2016年11月より稼働を開始した。

SPring-8(※2)などの放射光施設では、市販のX線装置に比べて1万倍以上の高強度X線を用いることで、従来困難だった高精度・高感度の材料分析が可能となった。これまで同社は自動車用ワイヤーハーネス、無線基地局用デバイス、フレキシブルプリント回路、高温超電導線材、切削工具など各種製品の開発において、国内外の放射光施設を積極的に活用してきた。しかし、利用できるビームライン(※3)は他の機関も共同で利用するものであり、利用時間には限りがあった。そこで、九州シンクロトロン光研究センター内に同社グループ専用のビームラインの建設を進めていた。

これにより、難点であった利用時間の不足を解消し、分析ニーズに即応できるようになった。更に製造中あるいは使用環境下での状態を再現したその場分析などにより、製造プロセスや製品特性を革新的に改善し、低コストかつ高品質な製品をより早く開発し、提供できる体制になった。

今後、専用ビームラインを活用し、レドックスフロー電池や光ファイバなどの新製品の性能向上、及び、既存製品の品質改善など幅広い分野で開発を加速させる。

※1 佐賀県立九州シンクロトロン光研究センター
佐賀県鳥栖市に我が国で初めて自治体が設置し、産業利用を主目的に2006年より産官学の利用者に開かれた放射光施設

※2 SPring-8
兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の大型放射光施設。1997年より国内外の産官学の利用者に開かれた施設

※3 ビームライン
放射光を測定する試料に導く光学装置と実際に種々の測定を実施する分析装置から成る設備

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:20| 企業の取り組み 【機関別】