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2016年12月21日

【流 通】ユニ・チャームと志布志市 世界で初めて「使用済み紙おむつ再資源化技術」の実証試験


ユニ・チャームは、2015年に発表した世界で初めての使用済み紙おむつからパルプを再生する再資源化技術を活用した実証試験を開始する協定を、鹿児島県志布志市と締結した。今後、志布志市との共同により、使用済み紙おむつの最適な収集方法とそのリサイクル技術の構築に向けた実証試験を開始する。

大人用と子供用の紙おむつの生産量は、2015年で218億枚 重さ81万トン(※1)にのぼる。今後は、高齢者人口の増加を背景に、紙おむつの生産量(特に大人用紙おむつ)の増加は見込まれているが、ほとんどの紙おむつは、使用後は焼却処理されている。一方、再利用となれば、排泄物に含まれる菌がリサイクルした製品に含まれる恐れがあった。2015年、ユニ・チャームが開発したオゾン処理方法(使用済み紙おむつのパルプをバージンパルプ(※2)と同等の品質にする方法)を用いれば、環境負荷低減効果(温室効果ガス削減効果)と、資材の安全性(衛生安全性)が確保されることが判明している。

ユニ・チャームは、志布志市が主体となっている18の団体・個人から構成された「使用済み紙オムツ再資源化推進協議会」に2016年5月より参画した。志布志市および、そおリサイクルセンター(大崎町)、同社の3者間で使用済み紙おむつの収集とリサイクルに関する協定を同11月1日に締結し、使用済み紙おむつの再資源化を目指した実証試験段階へ入る。

志布志市は10万人以下の人口規模だが、ここ数年、一般廃棄物のリサイクル率が市単位では国内1位で、焼却ではなく埋め立て処分を実施しており、リサイクルには力を入れているなか、リサイクル率は76%と高止まりしている。更に埋め立てごみに占めるおむつの割合は20%に上っており、同市は環境に優しい紙おむつの再資源化の実現に期待を寄せている。そおリサイクルセンターは、志布志市、大崎町及び曽於市の再資源化の中核となり、分別収集及び中間処理・保管を行っている。使用済み紙おむつの再資源化に向けて10年前より収集及び処理について検討しており、分別品目27種類を混ぜずに収集し、資源化するノウハウを有している。

※1 日本衛生材料工業会 生産統計データより(軽失禁用を除く)
※2 バージンパルプ:木から取り出した新しいパルプ

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 知識