2016年11月16日
【物 流】全ト協 第95回トラック運送業界の景況感(速報)
全日本トラック協会は、平成28(2016)年11月11日に「第95回トラック運送業界の景況感(速報)平成28年7月～9月期」を発表した。
今回の景気認識は、英国のEU離脱決定に伴う金融市場の混乱の鎮静化や自動車関連の熊本地震からの復興の進捗、原油安等が後押ししたが円高の進行や国内消費の低迷等がマイナス影響を与えた。このような状況において、今回は、労働力の不足感が強まったことや実働率が改善したこと等により、運賃水準が改善傾向となり、その結果、営業収入・営業利益及び経常利益が改善に転じた。これらのことから、景況感の判断指標は▲30.1(前回▲40.7)であり、前年から10.6ポイント改善した。なお、来期の見通しとなる景況感の判断指標は、海外景気、円高、国内経済状況の不透明感を反映し、今回より4.2ポイント悪化し、▲34.3ポイントの見通しとなっている。
景況感を示すにあたり、5つの項目(①一般貨物、②特別積合せ貨物、③運賃・料金水準、④実働率等、⑤規模別及び取扱い品目別、地域別)を挙げ、項目別で判断指標を挙げている。
① 一般貨物
輸送数量 ▲16.8(前回▲30.9)14.1ポイント改善
営業収入 ▲16.3(前回▲23.9)7.6ポイント改善
営業利益 ▲11.9(前回▲22.5)10.6ポイント改善
② 特別積合せ貨物(宅配貨物)
輸送数量 ▲23.3(前回▲30.0)6.7ポイント改善
営業収入 ▲10.0(前回▲20.0)10.0ポイント改善
営業収益 ▲3.3(前回▲30.0)26.7ポイント改善
宅配以外の特積貨物
輸送数量 ▲26.0(前回▲26.5）0.5ポイント改善
営業収入 ▲14.0(前回▲18.4）4.4ポイント改善
営業収益 ▲10.0(前回▲10.2）0.2ポイント改善
③ 運賃・料金水準
一般貨物の運賃・料金水準 ▲4.1(前回▲7.0)2.9ポイント改善
宅配荷物 6.7(前回0.0)6.7ポイント改善
宅配以外の特積貨物 8.0(前回▲4.1)12.1ポイント改善
④ 実働率等
実働率 ▲16.0(前回▲26.5)10.5ポイント改善
実車率 ▲14.1(前回▲24.1)10.0ポ イント改善
雇用状況(労働力の過不足) 71.8(前回60.9)10.9ポイント上昇
貨物の再委託(下請運送会社への委託割合) ▲10.8(前回▲12.8)2.0 ポイント増加
経常損益 ▲13.3(前回▲16.1)2.8ポイント改善
⑤ 規模別及び取扱い品目別、地域別
事業者の規模別
大規模事業者 ▲22.6(前回▲21.8)0.8ポイント悪化
中規模事業者 ▲26.6(前回▲45.0)18.4ポイント改善
小規模事業者 ▲38.6(前回▲41.8)3.2ポイント改善
一般貨物における主な取扱い品目別
消費関連貨物 ▲25.4(前回▲29.4)4.0ポイント改善
建設関連貨物 ▲30.1(前回▲52.7)22.6ポイント改善
機械関連貨物 ▲24.7(前回▲43.4)18.7ポイント改善
その他貨物 ▲36.9(前回▲46.7)9.8ポイント改善
一般貨物について業界の景況感を地域別にみると、東北、関東、北陸信越、中部、中国、九州は水準を上げているが、それ以外の地域は水準を下げている。
※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です
投稿者：gotsuat 09:45| 物流事業者
