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2016年11月02日

【物 流】近畿圏で荷主団体へ貨物自動車運送事業における過労運転防止と労働災害防止の協力要請を実施


平成28(2016)年10月27日、近畿運輸局及び近畿2府4県の各労働局が、貨物運送業務を発注する荷主関係団体(計212団体)に対し、貨物自動車運送事業における過労運転防止及び荷役作業による労働災害防止のための協力要請を行った。 

この背景には、トラック運送事業の労働時間が他産業よりも長時間であり、過労運転が交通事故の要因の一つとなっていることや、労働災害の約6割が荷役作業中に発生し、その中でも墜落・転落災害の約7割が、荷主等の配送先で発生しているという傾向が続いているという現状がある。協力要請の内容は下記の通り。

<トラック運転者の過労運転防止のために>
@発注条件の明示(急な発注条件の変更がないようにして頂く)
A無理のない到着時間の設定(休憩時間や運行経路の渋滞等を考慮し、遅延の場合も柔軟に到着時間を設定して頂く)
B荷受け、積卸し時間の設定(手待ち時間を少なくできるような時間帯の設定や予定時間に出発できない場合、到着時間の再設定や敷地内で車両が待機できるようにして頂く)
Cトラック運送事業者の選定(「改善基準告示」や「社会保険」の加入など、法令を遵守しているトラック事業者を選定頂く)
D適切な運賃等の収受〔燃料サーチャージ制の導入等〕(輸送原価が反映された運賃額並びに燃料上昇分を転嫁するための燃料サーチャージ制の導入を促進して頂く、また運送契約を締結して頂く)

<労働災害の防止のために>
@安全管理体制の整備(荷主等の安全管理者等の中から荷役災害防止の担当者を指名し、トラック運転者が行う荷役作業の連絡調整や巡視を行って頂く)
A墜落防止対策(昇降設備、安全帯取付設備の設置等プラットホーム、荷台における墜落・転落防止のための施設・設備を用意して頂く)
Bフォークリフトによる労働災害防止対策(制限速度や安全通路の設定・掲示や通路の死角にミラーの設置、フォークリフト走行場所と歩行通路の区分等をして頂く)

<トラック運送事業者との適正取引のために>
@荷主勧告制度(非合理な到着時間の設定や手待ち時間の恒常的な発生など、荷主がトラック事業者に対して、労働時間のルールが遵守できなくなる行為等を強要すると、荷主勧告の対象となり、荷主名が公表される場合があることを留意頂く)
A物流特殊指定における禁止行為(代金の支払遅延や減額、買いたたき等、独占禁止法第2条第9項第6号による告示「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」(物流特殊指定)に該当する行為は、独占禁止法違反となり、公正取引委員会による排除措置命令や警告・注意等の対象となることに留意頂く)

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 行政関連