<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ
2016年09月29日

【流 通】NTTコミュニケーションズと日本カーソリューションズ AIを活用した危険運転の自動検出に成功

NTTコミュニケーションズ(以下:NTT Com)と日本カーソリューションズ(以下:NCS)は、2016年9月に、車両から取得した各種データ(ドライブレコーダーや速度など)を人工知能(AI)により解析する共同実験により、交通事故の原因となり得る危険な運転を高精度で自動検知することに成功した。今後両社は、路面や交通状況など、AIにより自動認識できる対象を拡大するとともに、映像やセンサー情報のビッグデータ解析を進め、危険運転の検知・解析の高度化を目指す。

この実験では、NTTサービスエボリューション研究所(以下:NTT研究所)の移動状況推定技術(※1)を用いたAIにより、ドライブレコーダーなどで記録される時系列のマルチモーダルデータ(※2)を分析することで、飛び出してくる自転車などとの接触事故となりかねない危険な運転を約85%の精度で自動検出することに成功した。このような「出会い頭」の事故は、交通事故の発生状況のうち「追突」に次いで2番目に多く、約24%を占めている。(※3)

NCSは、カーリースを契約している企業顧客に、安全運転促進のための自動車IoTツールとして「NCSドライブドクター(R)」を提供している。このサービスのオプションとして提供している「NCS交通安全プログラム」の映像解析サービスでは、現在専任スタッフが、多くの時間を要しながら、車載器に記録された膨大な映像データの中から、「交通違反」「ヒヤリ・ハット」などの危険運転シーンを抽出し分類する作業を行っている。

NTT Comは、2015年より時系列ディープラーニング(※4)技術を活用したAIの映像解析への活用に取り組んでおり、これまで警備会社との不審動作・不審者検知実験や、電機メーカーとの広エリアにおける不審者追跡実験などを行ってきた。これらの成果とNTT研究所のAI技術である移動状況推定技術を活用することで、映像や速度などマルチモーダルで時系列なデータから、危険運転を自動で判別し、人が実施する作業をより早く・正確に実施できると考え、両社で実験を開始した。

※1 移動状況推定技術
ドライブレコーダー等で取得される、人やモノの動きに関わるセンサデータ(速度、加速度等)と映像の組合せから、対象物の動きと周囲の状況を?解し、「移動の状況」(対象物がどのような環境でどのような移動をしているか)を自動推定する技術

※2 マルチモーダルデータ
複数のインターフェースを持つデータのこと。今回はドライブレコーダーに記録されている映像データと各種センサーデータのことを指す

※3 (参考)警察庁交通局『平成27?における交通事故の発生状況』データ

※4 時系列ディープラーニング
深層学習と呼ばれる多層構造のニューラルネットワーク。従来型の機械学習と異なり、自動的に物事を解釈するために必要となる特徴・要素を抽出することが可能。人工知能(AI)の発展におけるブレークスルーとして注目されている。NTTComでは、時間軸方向の情報も盛り込み3次元データを解析することで、連続した時間的変化をとらえることに成功した

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 流通