<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ
2016年08月29日

【物 流】JILS「IoT、ビッグデータ、人工知能の進展による2030年の物流ビジョン 報告書」電子版を公表


日本ロジスティクスシステム協会(以下、JILS)は、平成27(2015)年12月にとりまとめた「IoT、ビッグデータ、人工知能の進展による2030年の物流ビジョン 報告書」の電子版を平成28(2016)年8月8日に公表した。

日本の物流を世界の中で眺めた際に、正確さや高い質が当然のこととなり、日本独自の商慣習も加わり一種のガラパゴス化状況が囁かれている。これは強みとなる半面、現場や荷主ごとに過度なカスタマイズを行うこととなり、IT利活用に不可欠な標準化が疎かになってしまう。それにより“見える化”やプラットフォーム化に遅れをとるという弱点にも繋がっている。

こうしたことから、JILSのスタディーグループでは、物流分野における新産業構造ビジョンとして社会構造の変化やIoT関連技術の開発、グローバルSCMの競争環境の変化、物流インフラの老朽化や運転手不足に伴う安全・安心・環境負荷対応等、9つの前提条件を挙げた。その前提条件をもとに平成42(2030)年のビジョンを議論した結果、12項目の仮説を描き、それぞれをバックキャスティングすることで、それまでに克服すべき課題を平成32(2020)年、平成37(2025)年、平成42(2030)年という時点でそれぞれ整理した。物流ビジョンの仮説12項目は下記の通りである。

@ 調達物流
A 社内(拠点内)物流
B 販売物流
C リバース物流
D 社会システム
E デザイン・フォー・ロジスティクス(DFL)
F 日本的商慣行
G 電子文書の取引とその保管の正当化
H グローバル化
I 人材
J 安心・安全
K CO2の増加・温暖化

各項目で様々な仮説が展開されている。
一例として、「A 社内(拠点内)物流」では、労働人口減少により倉庫内作業は自動化が進展し、ロボットによるピッキングや品揃えの完全自由化により、一部においては無人センターが実現すること。「D 社会システム」では、IoTの普及に伴い、法規制や見える化、コンプライアンス等が進展し、長時間に亘る車両待機等の不効率や不公正が許容されなくなり、物流における社会的コストの最小化が実現することがあげられている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 物流事業者