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2016年06月27日

【物 流】長大トンネル等における危険物積載車両の通行規制緩和に関する検討


大阪府トラック協会(大ト協)は、国土交通省(国交省)の発表を受けて「長大トンネル等における危険物積載車両の通行規制緩和に関する検討について」を発表した。

現在、長さ5,000メートル以上の長大トンネルや水底・水際トンネルでは、トンネルの構造を保全するため、火薬類・毒劇物・高圧ガス・石油等の危険物を積載する車両(タンクローリー等)の通行が禁止されており、これらの車両は並行する一般道を利用した迂回運行を行っている。これについて石油元売り業界等は、平成23(2011)年度より日本経済団体連合会を通じて、特に災害発生時のタンクローリー通行規制の緩和を求めてきた。

こうした中、国交省は2016年6月1日に開かれた社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会「第13回物流小委員会」にて、長大トンネル等での危険物積載車両の通行規制緩和を検討する方針であることを明らかにし、規制緩和案を提示した。

規制緩和案として、諸外国では長大トンネルであっても緊急時にはパトカーで先導することで通行が認められるようになる「エスコート通行方式」の例を挙げ、タンクローリーの前後に誘導車を配置して他の一般車両との間隔を保つことにより、万一の事故を防止することが出来るならば、危険物積載車両の通行を可能とすべきではないか、というものが提示された。併せて、迂回運行により一般道を通行している車両の方が、高速道路を通行する車両よりも急減速の発生頻度が高い、というデータも示された。このことから、国交省は2016年度にも社会実験を行い、安全性を確認しつつ、検討を進めるとした。

今後の課題として、災害時にはエスコート通行方式に加え、ETC2.0や最新の安全技術を活用した機器等の装着を条件とした更なる運用の効率化(エスコートなし等)や、災害時以外での導入も検討すべきではないか、との意見が示された。

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投稿者:gotsuat 09:45| 行政関連