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2016年06月07日

【流 通】鹿島、ショルダー型送風機「スズフィール」を開発


鹿島は、プロップ、安研、大興物産の3社と開発チームを組み、熱中症防止への取り組みとして、ショルダー型送風機「スズフィール」を開発した。ファンを使用した首元への送風と、保冷剤による脇下の冷却により、体内に蓄積した熱を効率よく放散し、深部体温の上昇を抑制する効果が得られる。

建設現場における熱中症を防止するため、塩タブやスポーツドリンク等による水分・塩分の補給や、送風機やクーラー等による作業環境の整備など、様々な対策が進められている。これにより発症件数は減少傾向にあるものの、依然として多数発症している。

着衣による対策として、終日の屋外作業向けにはファン付きの上着が普及しているが、屋内作業・短時間の屋外作業に従事する作業員や、現場の施工管理者向けに、より安価で手軽に着用できる製品の開発を目指し、2015年夏より鹿島の工事に従事する作業員30名が試作品を実際に着用し、モニタリング調査を行った。その調査結果をもとに改良を重ね、ショルダー型送風機「スズフィール」の開発に至った。

スズフィールは、現場の施工管理者やパトロール等で現場を巡視する者、屋内作業・屋外作業(長時間の炎天下を除く)に従事する作業員をターゲットとすることで、機能性もさることながら、着用時の作業負担が少ない。特長は以下のとおり。
 
 ・作業着の上からの着用が可能
 ・機器のユニット化により、ベストからの着脱が容易
 ・ベストにメッシュ素材を採用し通気性を確保
 ・ベストの洗濯が可能
 ・試作品と比べて送風量が倍増し、深部体温の冷却効果が向上
 ・4本のバッテリーを常備することにより終日の使用が可能
 ・従来のファン付きの上着と比べ、半額以下の価格帯を実現

また、2015年度グッドデザイン賞審査員を務めた実力派若手プロダクトデザイナーがデザインを手掛けることで、冷却器具としての「機能性」だけではなく、ベストとしての「デザイン性」の両面を兼ね備えた。

2016年度は、鹿島の工事に従事する協力会社を中心に販売し(※)、今後、モニタリング調査を実施する予定にしている。2017年度以降は、調査結果を踏まえたうえでさらなる改良も図りつつ、鹿島の枠に捕らわれず、幅広く展開する。

※2016年度は「LiVECOOL」の名称にて販売

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通