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2016年04月07日

【環 境】大成建設 「ホップ成分」を用いた汚染地下水浄化技術を開発


大成建設は、「ホップ成分」(※1)を用いて塩素化エチレン類(※2)の汚染地下水を浄化する技術を開発した。この技術では「ホップ成分」の効果により塩素化エチレン類を浄化する特定の細菌を活性化させ、短期間に汚染地下水の浄化を行う。

現在、有機溶剤に含まれる塩素化エチレン類による地下水汚染が顕在化し、その多くは広範囲に及んでいる。汚染浄化のためには地下水に微生物活性剤を注入し、汚染域に生息している特定の細菌(脱塩素細菌)を活性化して浄化する技術が広く普及している。しかし、この技術では、数年単位の浄化期間が必要となり、コスト増加や土地利用の制約などの課題が生じていた。

大成建設は、脱塩素細菌を速やかに活性化させる方法について研究を進め、「ホップ成分」を含む微生物活性剤が、それを含まない微生物活性剤よりも短期間で浄化できることを確認した。今後、同社は、土壌を掘削せずに浄化する技術(原位置浄化技術)のひとつとして、今回開発した技術を塩素化エチレン類の汚染地下水浄化に広く展開していく予定にしている。

※1 ホップ成分
ビールの主原料で苦味、香り、泡の生成に重要な役割を果たすだけでなく、雑菌の繁殖を抑制し、ビールの保存性を高める効果がある。この成分が脱塩素細菌を優先して活性化し、浄化期間を短縮するための重要成分であるという点について、平成24(2012)年に大成建設とMCフードスペシャリティーズで共同特許出願を行い、平成27(2015)年4月に権利が成立した。(特許 第5706134号)

※2 塩素化エチレン類
エチレンに塩素を付加して合成した液体。トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンが金属部品の洗浄剤や溶剤として広く使用されてきたが、有害性が確認されたため環境規制物質に指定されている

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:25| 企業の取り組み 【機関別】