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2015年12月10日

【流 通】DNP ペットボトル用の無菌充填システムで水使用量を約9割削減


大日本印刷(以下:DNP)は、従来と比較して充填時の水使用量が大幅に削減できるペットボトル用無菌充填システムを開発し、国内の飲料メーカーで初めて採用された。

DNPのペットボトル用無菌充填システムは、無菌状態を保ったチャンバー内で、試験管のような小さなプリフォームをふくらませながらペットボトルを成形し、高温・短時間で滅菌した内容物を急速に冷却して常温でボトルに詰めるシステムで、国内でトップクラスのシェアを持っている。今回、ボトルの滅菌方法で過酸化水素を用いた最新のシステムにおいて、ペットボトルの成形時に発生する余熱を利用することで、滅菌後の無菌水による洗浄工程をなくし、水の使用量を従来と比較して約9割削減した。

また、炭酸飲料向けに使用される耐熱圧ペットボトルの軽量化や、茶系飲料やジュースなどミネラルウォーター以外の内容物でペットボトル重量が国内最軽量レベルとなる14.6g(350ml〜550mlボトル用)の製品を実用化するなど、環境対応の強化を進め、飲料メーカーの環境負荷の低減を支援する。

1990年代のペットボトル飲料は、約85〜90℃に熱して滅菌した内容物をペットボトルに詰めるホット充填が主流で、飲料メーカーは高温に耐えられる肉厚で頑丈なペットボトルを使用していた。

DNPは、無菌状態で内容物を充填する包装技術の開発を1973年から開始し、コーヒー用ミルクのポーションパックのほか、ヨーグルトやチルド飲料等のカップ用の無菌充填機などを開発し、1994年にはペットボトル用の無菌充填システムを開発した。このシステムは、充填と同時にプリフォームからペットボトルの成形を行うもので、成形前の小型のプリフォームで充填する工場に納入できるため、成形済みのボトルを輸送にする場合と比較して大幅に環境負荷を低減できる。また、飲料を常温で充填できるため、薄く軽量なボトルの採用が可能なためコスト面でもメリットが多く、今日までに国内外の数多くの飲料メーカーで採用されている。近年、各メーカーからは、環境負荷のさらなる低減に向けて水使用量削減への要求が高まってきており、システムとしての機能を損なうことなく、従来と比較して水の使用量を大幅に削減したペットボトル用無菌充填システムを開発した。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通