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2015年11月25日

【流 通】建築業向け 気流や温度分布を体感できるソリューション構築


キヤノンマーケティングジャパン(以下キヤノンMJ)とキヤノンITソリューションズ(以下キヤノンITS)は、空調気流・温度シミュレーションシステムを三機工業と共同で構築した。キヤノンMJグループは、MR(Mixed Reality:複合現実感)システム「MREAL(エムリアル)」と空調気流・温度のシミュレーションデータの連携により、気流や温度分布を体感できるソリューションを2015年11月末より製造業や建設業を中心に提供する。

三機工業は、オフィスや商業施設などのビル空調衛生事業や、半導体工場など高度な生産環境で求められる産業空調事業など、日本全国に事業拠点を持ち、海外でも事業を展開している。温度・湿度・気流・塵埃や化学成分・臭気などを適切に調整する技術や給排水衛生技術、クリーンルーム技術などの独自技術により、建築物の省エネルギーやライフサイクルのコスト削減を実現している。空調設備の施工前に空調の気流や温度を数値化しシミュレーションを行い検証していたが、施工後にイメージの相違が生じたり、比較検討時の条件設定や数値計算、CG制作に時間を要するといった問題があった。

「MREAL」は現実世界とCGをリアルタイムに違和感なく融合させることができるシステムで、「MREAL」を活用することで、設計段階から3D CADデータをもとに具体的なイメージを実寸大で体感することが可能となります。これにより、効率的なデザインの検証や試作回数の削減が可能となるため、開発期間やコストの圧縮を実現する支援ツールとして、製造業や建築・建設業における設計・製造の現場などで高い評価を得ている。

今回、共同で構築した空調気流・温度シミュレーションシステムは、「MREAL」に対応した数値シミュレーションソフトの専用ポストプロセッサ用プラグインを採用することで、これまでみえなかった気流や温度などをそのまま視覚化することができる。3D映像とシミュレーションデータをリアルタイムに合成することで気流や温度を直感的に体感でき、施工前に発注者と関係者との間でより正確なイメージを共有できるようになった。また、このシステムは可搬式なため、現地で顧客が確認することでスムーズに意思決定することができるようになる。

これにより、余計な試作や試験などを省くことができスピードアップとコスト削減を実現する。今後は、クリーンルームの気流や大空間の温度分布、パッケージエアコンの屋外機のショートサーキット防止(排熱による運転効率の低下防止)など、さまざまな用途での活用を検討していく。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通