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2015年10月27日

【アジア】エーザイ 抗がん剤「レンビマ(R)」韓国において承認を取得

エーザイは、自社創製の新規抗がん剤「レンビマ(R)」(一般名、レンバチニブメシル酸塩)について、「進行性、局所再発又は転移性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん」の適応で、韓国の当局(韓国食品医薬品安全処)より承認を取得した。韓国では2014年11月に「レンビマ」の承認申請を行っており、今回の承認によって、韓国は、日米欧についで「レンビマ」のアジアにおける最初の承認国となった。

韓国における承認は、グローバルで実施した分化型甲状腺がんを対象とした臨床第III相試験(SELECT試験)に基づくもので、「レンビマ」は、プラセボに対して無増悪生存期間を統計学的に有意に延長するとともに、高い奏効率を示した。主な副作用は、高血圧、下痢、疲労・無力症、食欲減退、体重減少、悪心。

「レンビマ」は、エーザイの筑波研究所で創製され、自社開発した新規抗がん剤です。腫瘍血管新生や腫瘍増殖に関わるVEGFR、FGFR、RET、KIT、PDGFRなどに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な分子標的治療薬であり、特に甲状腺がんの腫瘍血管新生と腫瘍増殖に関与するVEGFR、FGFRおよびRETを同時に阻害する。また同剤は、VEGFR2とのX線共結晶構造解析から、新たな結合様式(タイプV)を有することが確認された薬剤であり、速度論的解析からは、標的分子に素早く結合し、強力なキナーゼ阻害作用を示すことが確認されている。

同剤は、既に日本、米国、欧州にて発売されており、アジアでは、シンガポール、マカオ、香港、台湾、マレーシア、インドそしてインドネシアで承認申請中で、肝細胞がんを対象としたグローバル臨床第III相試験や、腎細胞がん、非小細胞肺がんなど複数のがんを対象にした臨床第II相試験が進行している。

韓国の甲状腺がんの新規診断患者数は、2012年で約33,000人、アジアにおいては、約144,000人と推定されている。甲状腺がんの多くは治療可能だが、進行した甲状腺がんでは治療選択肢が限られているため、未だアンメット・メディカル・ニーズが高い。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア