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2015年09月15日

【流 通】IoTを活用した作業者安全管理サービス実用化に向けて実証実験を開始


日本航空(以下「JAL」)、NTTコミュニケーションズ(以下「NTT Com」)、および東レは、2015年8月17日より、空港での屋外作業者が安全に働ける環境の整備を目指し、IoTを活用した安全管理システムの共同実証実験を開始する。

この実証実験は、東レとNTT Comが協働する「機能繊維素材“hitoe”(※1)を活用した作業者安全管理サービスの実用化に向けた取り組み」の一環で、実証実験の結果を踏まえて、JALは本システムの導入を検討する。また、幅広い業界・職種での導入を目指し、東レが2015年度中にサービスの事業化を図る。

地球温暖化による気温上昇が進むなか、今世紀末には熱中症などによる被害者数が現在の2倍以上に増えると予測されている(※2)。特に空港の地上エリアにおいては、夏の屋外での作業環境は大変厳しく、事故防止の観点から、作業者の体調管理や安全確保が必須とされている。このような課題を解決するために、JALは、クラウドベースの安全管理システムを開発したNTT Comと共同で、東レが開発した“hitoe”ウェアや、トランスミッターなどを活用し、沖縄県那覇空港の地上エリアでの作業者の心拍数などのバイタルデータのリアルタイム取得や分析、遠隔モニタリングの有用性について、実証実験を開始する。

空港のグランドハンドリング業務(荷物の輸送や航空機誘導などの空港地上支援業務)従事者を対象に暑さ対策に関する検証を開始し、その後、他エリアの空港において、暑さ対策以外の体調管理(熱ストレス、リラックス度、運動強度、消費エネルギーなど)の検証を進める予定にしている。

東レが、NTT Comと協働して事業化を目指す作業者安全管理サービスは、主に“hitoe”ウェア、トランスミッター、安全管理システムから構成される。“hitoe”ウェアより取得できるバイタルデータの活用に加え、トランスミッターに内蔵した三軸加速度計(※3)により、着用者が転倒状態にないかを推定することも可能となる。

また、今後、GPSやビーコン(※4)の活用により、着用者の位置情報取得機能の開発も検討し、労働環境以外にも、福祉介護施設や自宅での高齢者見守り分野などでの活用を目指す。

厚生労働省の調べによると、2014年度の労働災害認定者数は約12万人に上る。また、製造業や建設業などでは、人手不足や作業コスト削減に伴う、作業者の単独配置なども存在する。さらに、仕事や職業生活に関して強い不安、悩み、ストレスを感じている作業者は6割にも上り、企業経営にとって、作業者の安全管理や体調管理、メンタルヘルスケアの重要性はますます高まってきている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 07:35| 流通