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2015年09月15日

【環 境】三菱重工業 次世代LNG運搬船「サヤリンゴSTaGE」船型を2隻受注


三菱重工業は、次世代LNG(液化天然ガス)運搬船「サヤリンゴSTaGE」を、中部電力が商船三井および日本郵船のそれぞれと折半出資にて設立した2社向けに受注した。船体構造の効率化やハイブリッド推進システムの採用などにより、LNG搭載量や燃費性能を大幅に向上させた最新の船型である。完成・引き渡しは2018(平成30)年の予定で、いずれも主に中部電力が参画する米国のフリーポート(Freeport)LNGプロジェクト(※1)に投入され、北米産シェールガスの輸送に携わることになる。

2隻は、今治造船との合弁会社であるMI LNGカンパニーを通じて受注したもので、長崎造船所で建造する。長さ297.5m、幅48.94m、深さ27.0m、喫水11.5m、タンク総容積18万m3で、リンゴ形状のMOSS方式(※2)球形タンクを4基搭載。タンクを船体と一体構造のタンクカバーで覆うことにより、船全体の強度を確保しながら軽量化を実現し、さらに航行中の風圧による抵抗も軽減している。また、2016(平成28)年前半にも運用開始が見込まれる新パナマ運河の通航が可能な船幅におさめたうえで、LNG搭載量を効率的に増加させた。

推進機関には、蒸気タービンとガス焚き可能なエンジンを組み合わせたハイブリッド2軸方式STaGE(Steam Turbine and Gas Engines)を採用。エンジンの排熱を蒸気タービンで有効利用することでプラント効率が大幅に改善され、低速域から高速域まで高効率運航が可能となる。
 
※1 フリーポートLNGプロジェクト
米国のフリーポートLNGデベロップメント社がテキサス州のフリーポートLNG基地に、米国内で産出されるシェールガスをはじめとする天然ガスを受け入れて精製・液化し、年間最大1,320万トンのLNGを生産するもので、稼働開始は2018年ごろの予定

※2 MOSS方式
自立球形タンクを円筒形の支持構造(スカート)で船体に固定する方式

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 07:20| 企業の取り組み 【機関別】