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2015年09月09日

【流 通】安川電機など 促通反復療法のリハビリ装置を開発


安川電機は新長期経営計画「2025年ビジョン」に掲げるヒューマトロニクス(※1)の事業領域確立に向けて、このたび促通反復療法(※2)のリハビリ装置(前腕回内回外(※3)訓練装置)を鹿児島大学、有薗製作所、エイチアイデーと共同開発した。当装置の使用により、脳卒中による後遺症で麻痺した腕の回復を早めることが期待される。

今回の開発はロボット産業振興会議の環境配慮型ロボット及び医療福祉ロボット等開発支援事業の一環として取り組み、今後は実用化に向け、臨床研究による有効性評価と使いやすさ等の改良を加速させる。


日本では年間約30万人が脳卒中を発症しており、総患者数は300万人と推定されている。その発症後、片麻痺等の後遺症の回復のために、多くの患者が長期に渡るリハビリを余儀なくされている。

安川電機は、2025年ビジョンを掲げ、ヒューマトロニクスの事業領域確立を目指しており、その一環として医療・福祉分野において、リハビリ訓練をアシストする装置の開発を行っている。

安川電機は鹿児島大学の促通反復療法の研究グループと共同研究を行い、同社のモーションコントロール技術、ロボット技術を応用して、促通反復療法の理論に基づくリハビリ装置の実現に取り組んできた。その理論によれば、装置を使った訓練中に、促通刺激を与えることで、腕の運動を伝える神経回路(脳内の損傷を受けた周囲から脊髄まで)の興奮状態を高めることができます。また、運動を繰り返し行うことで、神経路が再建・強化され、麻痺の回復を促すことが期待される。

また同装置のような医療介護リハビリ分野の機器開発においては、医工連携を含む産学官の連携がプロジェクト推進上重要だが、特にロボット産業振興会議による支援事業においては地域企業が連携することにより、地域産業の活性化にも貢献すると期待されている。


※1 ヒューマトロニクス/Humatronics
人間(Human)とメカトロニクス(Mechatronics)を掛け合わせた造語

※2 促通反復療法
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科リハビリテーション医学 前教授である川平 和美先生によって開発された治療法。この治療法は、慢性期を含む脳卒中片麻痺患者の麻痺回復に優れた効果を示すことがわかっている

※3 前腕回内回外
前腕部の運動の一つで、手を内側に回す運動を回内運動、手を外側に回す運動を回外運動と呼ぶ

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 07:35| 流通