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2015年08月18日

【知 識】横浜市、横浜信金、日本ユニシス オープンデータを利活用した地域活性化プロジェクト


横浜市、横浜信用金庫(以下 横浜信金)と日本ユニシスは、オープンデータ(※1)を利活用した地域活性化プロジェクト(※2)を発足し実証実験を開始する。

同じ地域に根ざす横浜市と横浜信金にとって、横浜市の地域活性化は共通の重要テーマで、今回のプロジェクトは、行政情報の民間における活用推進により横浜経済の活性化を目指す横浜市と、地域との共存共栄を使命とし地域企業へのリレーションシップバンキング(※3)のさらなる高度化を目指す横浜信金が、オープンデータ利活用に関する協働により、地方創生・地域活性化のための共同研究を行う全国初となるプロジェクトである。

このプロジェクトの2015年度の取り組みとして、横浜市の抱える課題のひとつである、親世代の介護と子供の育児が同時進行している「ダブルケア」(※4)にフォーカスし、実証実験を実施する。「ダブルケア」の負担を抱える市民に対して、関連する事業を営む事業者や新規開業者をサポートし、産業の育成を検討する。具体的には、介護・保育・家事代行の事業者に対し、横浜市が提供するオープンデータを、横浜信金が情報の仲介役を担い、データの目利きや加工を行い提供する。加えて、横浜信金のもつ経営相談や事業支援のノウハウを提供し、事業者を踏み込んで支えることで地域の活性化を目指す。

なお、この実証実験は、総務省の調査事業である「平成27年度オープンデータ・ビッグデータ利活用推進事業」の一環として行う「地方創生に資するデータ活用プラン(※5)」事業に採択されている。また、岡山県倉敷市に中核市での活用検証を協力をあおぐ予定になっている。

当実証実験では、ITシステムを利用し、行政の保有するデータを安全かつ再利用可能な形で、効率的に金融機関に提供し、金融機関の持つ知見を元にデータを加工することで、情報連携を効果的にサポートする。この取り組みにより市内中小企業のデジタルデバイド(情報格差)を解消し、事業者は知りうるべき情報を効果的に取り入れることが可能となる。また、裾野金融を担う地域金融機関がオープンデータの再利用性を生かして情報を仲介し、適切に情報流通させることで事業者の活性化が期待できる。

日本ユニシスはこの実証実験により、オープンデータを利用した情報活用の新しい事業モデル構築を目指す。

※1:オープンデータ
「機械判読に適したデータ形式で、二次利用が可能な利用ルールで公開されたデータ」であり「人手を多くかけずにデータの二次利用を可能とするもの」のこと。わが国では平成24年(2012年)以来、政府主導のもと「オープンデータ戦略」が掲げられ、行政側の基盤整備が推進されてきたところです。オープンデータは新たな段階に入り、経済効果の期待できる地域活性化利活用モデルが求められている。

※2:オープンデータを利活用した地域活性化プロジェクト
2014年8月、横浜市・横浜信用金庫・日本ユニシスの三者にて、オープンデータを利活用した地域活性化プロジェクトを発足し、包括連携協定を締結した。発足以降、各種ワークショップを開催し、地域課題の抽出やオープンデータ活用に向けた整理を実施してきました。なお、当プロジェクトは、今回の実証実験を含めて市民のプライバシーに関わる秘匿情報は扱わない。

※3:リレーションシップバンキング
金融機関が顧客との間で親密な関係を長く維持することにより顧客に関する情報を蓄積し、この情報を、有効に活用することによって、地域の皆様に円滑な融資実行を行い、また高度な金融サービスの提供を行うビジネスモデル

※4:ダブルケア
親世代の介護と子供の育児が同時進行している状態を意味する。今後の超高齢化・30〜40歳代の人口減・出産年齢の晩産化にともない、ますます増加することが予想される

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| 知識