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2015年05月29日

【流 通】DNP ICTを活用した体験型協働学習システムを開発

大日本印刷(以下:DNP)は、ICTを活用し、自ら体験することで主体性を高めると同時に、体験に基づく活発な協働学習が行え、コミュニケーション力・思考力の向上を促す体験型協働学習システムを開発した。

近年の学校教育では、知識の習得だけでなく、課題解決に必要な社会とのつながりを意識した思考力や判断力、表現力の育成が重視されており、児童・生徒同士が教え合い、学び合う協働学習の充実が求められている。

美術教育においては、文化財や美術作品の鑑賞、美術館や博物館の訪問、専門家の話を聞く機会など、生徒が主体的に取り組める体験型の学習が重要視されている。しかし、新たな学習法に関する教員の知識の不足や時間的な制約などによって、これらの学習が十分に行われていなかった。

この課題に対して「ルーヴル−DNPミュージアムラボ(※)」など、DNPが取り組んできたICTを活用した美術鑑賞システムの開発・運用実績を活かして、美術デジタル教科書研究会(代表:国立大学法人 香川大学 教育学部 安東恭一郎教授)と共同で体験型協働学習システムを開発し、実証研究を開始する。この実証研究は、これまでの紙メディア中心の鑑賞を超えた、五感で作品や学習対象の臨場体験を行い、作品理解など学びを深めつつ、児童・生徒同士の協働学習を推進する必要性を仮説としている。

従来の美術教育は紙メディア中心の視覚情報での鑑賞が主体だが、画像処理やセンシング機器などを組み合わせて使うことにより、視覚や頭で考えて理解すること以上に作品を体感することが可能になる。この体験の面白さや、先生・友人と感覚を共有することによって児童・生徒の“気づき”が広がり、活発な協働学習につながっていく。

DNPは2015年6月より、この協働学習システムを使用した実証研究を香川県や新潟県など全国の小・中学校で実施して効果検証を行うとともに、2016年度以降に自治体での本格的な導入を目指す。また、DNPが取り組んでいる京都の世界遺産17社寺・城の高精細映像アーカイブコンテンツ、水族館や工場見学などのコンテンツを用いた体験型教材のシリーズ展開を行っていく。

※ ルーヴル−DNPミュージアムラボ
DNPとルーヴル美術館による、美術作品の新しい鑑賞方法を提案する共同プロジェクト。2006年のプロジェクト開始以来、およそ100の体験型鑑賞補助システムを開発、一部はパリ・ルーヴル美術館の常設展示室にも導入されている。デジタル技術を活かした鑑賞教育のための教材開発も本プロジェクトの重要な取り組みテーマで、学校の美術の授業や美術館の教育普及活動などへの提供を通じて、美術に親しむ機会の拡大に貢献している。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 流通