2015年03月23日
【流 通】大同特殊鋼 ユニバンスからモジュール式真空浸炭設備を受注
大同特殊鋼は、ユニバンスから自動車用ギヤなどの強度を高める熱処理に使う真空浸炭炉「モジュールサーモ」を受注した。ガス浸炭炉の老朽化更新の一環で、本社工場（静岡県湖西市）に２０１６年春の納入を予定している。受注した設備は、浸炭窒化や高濃度浸炭など単一のシステムで多様な高強度化プロセスに柔軟に対応し製品に高い付加価値を与えることを目指している。
現行量産炉のガス浸炭炉老朽化に伴い、二酸化炭素排出量が少なく、安全性に配慮し、取扱性の良い真空浸炭炉の導入を計画。自動車および産業機械用変速ギヤなど多くの製品の一部を、従来工法のガス浸炭から新工法の真空浸炭に切り替え、スムーズに量産体制に移すためには、信頼性の高い真空浸炭炉が必要であった。
同社は、特殊鋼製造メーカーでもある総合力を駆使して２００６年に真空浸炭メカニズムを世界で初めて解明。理論ベースの処理レシピ計算ソフト「浸炭くん」を作り出し、２００７年に初号機を受注してから自動車および自動車部品メーカーへの実績を積上げ、同受注により６３室まで実績を伸ばしている。理論ベースであるからこそ、多様な製品にも適用でき、精度が高く信頼性も高い製品である。また、同社滝春テクノセンター（名古屋市南区）に設置してある量産規模の実証炉で、事前に条件出しを行うことができるため、スムーズな設備立上に貢献する。納入後においても、設備の状態監視、異常発生時の対処、レシピ登録の操作性など操業システムを簡便化しているため作業者の負担を軽減し習熟期間を短縮することで早期量産体制に移ることができる。
浸炭窒化や高濃度浸炭などの機能を付加したモジュールサーモを、補助金利用と絡めることで新技術の展開にも貢献することが期待できる。大同特殊鋼は、鋼材部門と連携して、材料開発やプロセス開発を通して、浸炭設備のみではなく、材料や工程を含めた大同特殊鋼のトータルソリューションを提案し、商品価値向上の創出に寄与していく。
※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です
投稿者：gotsuat 10:03| 流通
