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2015年02月06日

【知 識】アステラス製薬 米社とスギ花粉症治療ワクチンのライセンス契約締結


アステラス製薬は、米・イミュノミック セラピューティクス社と、同社が創製し、スギ花粉症を対象疾患として開発している治療ワクチンJRC2−LAMP−vaxについて、日本における独占的な開発・商業化のライセンス契約を締結した。

日本におけるスギ花粉症の有病率は、1998年から2008年の10年間で、16.2%から26.5%と増加しており、多くの人がその症状に悩まされている。現在、スギ花粉症に対する主な治療法は対症療法であり、長期に渡る治療による医療費ならびに患者の負担は深刻な問題となっている。

JRC2−LAMP−vaxは、イミュノミック セラピューティクス社がジョンズ・ホプキンス大学からライセンス許諾を受けているLAMP−vaxプラットホームを使って開発したスギ花粉症に対する治療ワクチンで、スギの主要なアレルゲンであるCry j1およびCry j2をコードする2つのDNAプラスミドを含有する製剤。それぞれのアレルゲンはLAMPとの融合タンパク質として発現するように設計されており、免疫系反応をTh2型のIgEを介したアレルギー性反応から、Th1型のIgGを介した反応(非アレルギー性反応)へとシフトさせることで、アレルギー症状を改善する。また、従来の減感作療法より短い治療期間における数回の投与で、長期的な症状寛解を可能とする根本治療を目指している。

同契約に基づき、アステラス製薬は、日本におけるJRC2−LAMP−vaxの独占的な開発・商業化の権利を取得すると共に、開発にかかる費用を負担する。現在、日本におけるJRC2−LAMP−vaxの第I相試験の開始に向け、準備を進めている。更に、アステラス製薬は、日本におけるスギ花粉症以外のアレルギー疾患を対象としたLAMP−vaxプラットホームを用いたワクチンに関するライセンスについて、独占的な交渉権を留保している。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:29| 流通