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2015年02月03日

【環 境】トヨタ 新素材SiCパワー半導体搭載車両の公道走行を開始へ


トヨタ自動車は、SiCパワー半導体(※)の実用化に向けた取組みの一環として、ハイブリッド車(以下、HV)などのモーター駆動力を制御するパワーコントロールユニット(以下、PCU)に新素材SiCパワー半導体を搭載したカムリ(HV)の試作車を開発し、平成27(2015)年2月初めより約1年間、豊田市を中心に公道での走行試験を行う。

PCUは、走行時はバッテリーの電力をモーターに供給、減速時は回生した電力をバッテリーに充電するなど、HVなどの電力利用において重要な役割を担っている。そのPCUに使われているパワー半導体は、車両全体の電力損失の約20%を占めており、パワー半導体の高効率化、すなわち、電流を流す時の抵抗を低減することが燃費向上に不可欠である。

今回開発したカムリ試作車は、PCU内の昇圧コンバーター及びモーター制御用インバーターに、SiCパワー半導体(トランジスタ、ダイオード)を搭載し、公道走行試験では、走行速度や走行パターン(高速走行、市街地走行、渋滞等)、外気温など様々な走行条件毎に、PCU内の電流、電圧などのデータを取得し、現状のシリコン半導体と比べ、新素材であるSiCパワー半導体搭載による燃費向上効果を検証していく。

さらに、平成27(2015)年1月9日から、豊田市内の路線バス(とよたおいでんバス「豊田東環状線」)として営業運行している燃料電池バス(FCバス)においても、FCスタックの電圧を制御するFC昇圧コンバーターにSiCダイオードを搭載しており、走行データを取得し、燃費向上効果を検証する。

※ SiCは、Silicon Carbideの略。シリコンと炭素の化合物。
  SiCパワー半導体は、トヨタ、デンソー、豊田中央研究所と共同で開発。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:10| 企業の取り組み 【機関別】