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2014年08月26日

【環境】大林組 自動ラック倉庫の耐震性を向上させるTMD制振技術を開発・実用化




 大林組は、地震時における自動ラック倉庫からの荷物落下を低減できる「TMD(チューンドマスダンパ−)制振技術」を開発、実用化に成功した。
この技術における開発の背景には、東日本大震災において自動ラック倉庫から多数の荷物落下が発生し、復旧まで多くの時間が費やされ、国内の物流機能に大きな影響を与えた事による。また、BCP(事業継続計画)の観点からも倉庫の耐震性向上が強く求められている。

 この技術は、既に多くの高層ビルの風揺れ対策などに使用され、今回、この考え方が基となり、自動ラック倉庫の荷物落下低減機能に生かされている。主な特長として、粘弾性体を採用、シンプルな装置を実現したことにより、動作確認や点検、メンテナンスが容易である事。また、この粘弾性体は、オイルダンパーの油漏れのように保管されている荷物に2次的な被害を及ぼす恐れがないという。

設置に関しても、付設のスタッカークレーン(自動搬送設備)を用いてラック最上段に配置することができ、大掛かりな工事を必要としない為、既存施設へも容易に適用できる。既存の自動ラック倉庫には、製品や原料が保管されており、火気、臭気、ほこりを伴う作業は非常に困難であるが、今回開発されたTMDはラック最上段に配置、ラックとTMDをボルトで固定することで設置できる。倉庫内での溶接等は不要であり、火気や溶剤など使用が不適当とされるものを使用せずに施工ができる。

また、新築の施設にも採用が可能で、既存、新築を問わずに自動ラック倉庫からの荷物落下を大幅に低減できる制振技術である。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 08:34| 企業の取り組み 【機関別】