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2014年03月03日

【知識】タカラバイオ クロモセンター社と人工染色体技術に関するライセンス契約を締結




 タカラバイオは、クロモセンター社が保有する人工染色体技術に関して、特許の実施許諾を受けるためのライセンス契約を2014年2月20日付で締結した。これにより、同契約に基づき開発する研究用遺伝子導入試薬(※)を全世界において販売するための権利を、クロモセンター社以外にはタカラバイオのみが保有することになる。

 今回ライセンスを受ける人工染色体技術は遺伝子導入手法に関する技術で、鳥取大学大学院医学系研究科に所属する押村光雄教授らのグループが開発し、クロモセンター社が関連知財を保有している。人工染色体技術は、ゲノム編集技術などと並んで、iPS細胞の作製や再生医療分野など、ライフサイエンスや医療の分野での応用が可能な重要技術として注目されている。そのため、導入できる遺伝子サイズが大きいことや、導入遺伝子が安定的に発現可能という、既存ベクターにない有利な特徴を持った人工染色体技術は、創薬研究用の遺伝子安定発現細胞やタンパク質高生産細胞株の作製など、ライフサイエンス分野における有用なツールとなると期待される。

 タカラバイオは、これまでに培ってきたウイルスベクター製品の開発、製造経験を活かし、平成26年度中に人工染色体技術を利用した製品や受託サービスを開発することを目指す。また、同社が保有するゲノム編集技術や細胞加工技術などと組み合わせ、より高機能・高付加価値に加工した細胞を提供することにより、同社が注力する創薬支援事業や再生医療分野における業績の拡大を目指す。

 ※人工染色体に任意の遺伝子を搭載し、目的の哺乳類細胞へ導入するための研究用試薬

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:34| 知識