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2013年11月29日

【知識】アバールデータとイーソル 高速データ処理エンジン開発で協業




 アバールデータとイーソルは、メニーコア技術を使った超高速データ処理エンジンおよび関連ソリューションの開発で協業することを発表た。次世代の計測機器や検査機器、医療機器、放送機器や産業用ロボット、半導体製造装置といった超高速なデータ処理が必要な組込みシステムでの採用を見込んでいる。

 近年の画像の高精細化により、画像センシング処理で取り扱う画像データが大容量化している。また、計測機器や検査機器、通信機器においても、サンプリングデータや通信データの大容量化が同様に進んでいる。こうした大容量データを高速に取り扱うために、従来高速なプロセッサやマルチコアプロセッサが利用されてきたが、処理効率の限界が見えてきている。またマルチメディアデータ専用の処理プロセッサとしてGPU(Graphics Processing Unit)を利用するためには、GPUの仕様やライセンスが容易に入手できないケースが多くありる。今回の協業により、メニーコアプロセッサの高い処理能力と電力効率を活用した超高速処理エンジンを開発し、こうした大容量データ処理の課題をハードウェアおよびソフトウェアの両面から解決する。

 アバールデータは、画像や通信などの高速データ処理の分野で、ハードウェアとアルゴリズム開発の優れた技術を保有している。なかでも、PCI Expressや画像処理、高速通信向けの独自IPである「AVAL IP」は、マシンビジョン向けに高速化、高精細化するカメラの大容量データを破綻なく処理する画像入力ボードや画像処理を搭載したスマートカメラ、変動周波数入力に対応した高速A/D変換ボードや共有メモリを光でつなぎ装置間の高速転送を実現するGiGA CHANNELなどの製品に実装されている。これらの製品は、半導体製造装置や外観検査装置・医療機器などの産業機器で多数の採用実績をもっている。

 イーソルは、商用では世界初となる組込みシステム向けメニーコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eSOL eMCOS」を開発した高度なOS技術およびメニーコア分野におけるリーダーシップを強みとしている。eMCOSは、これまでのリアルタイムOSとはまったく異なるアーキテクチャを採用することで、キャッシュコヒーレンシー確保が前提の既存のOSアーキテクチャの限界を克服し、数十、数百のコアを持つメニーコアプロセッサの性能を最大限に引き出す。さらに、特許出願中のスケジューリングアルゴリズム「セミプライオリティベーススケジューリング」(特願2012−247172)により、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性を両立している。またイーソルは、米国Multicore AssociationのSoftware−Hardware Interface for Multi−many−core(SHIM)ワーキンググループのチェアを務め、さらにマルチコア/プロセッサ向けプログラム並列化技術の強化で早稲田大学と共同研究を進めるなど、産学連携や業界団体を通じた活動も活発に行い、メニーコア技術の推進に注力している。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 08:41| 知識