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2013年10月31日

【環境】NEDO 新しい自動車排ガス浄化用助触媒材を共同開発



NEDOと名古屋大学、ノリタケカンパニーリミテド、名古屋工業大学は、希少金属セリウム※1の使用量を30%以上低減できる自動車排ガス浄化用助触媒材※2の開発に成功した。今回開発した助触媒材は材料のジルコニア表面にセリウムをコーティングするコアシェル構造※3を採用することでセリウム使用量を低減。低温での触媒効果の改善により効率的な排ガス浄化も可能にしている。さらに、この技術を応用することにより、触媒の貴金属(白金族)も、その使用量低減が期待さる。
具体的な技術として、ジルコニア粒子の表面にセリアジルコニア相※4とセリア相を形成するコアシェル構造にすることで、セリウム使用量を30%低減した助触媒用材料を開発した。セリアが粒子表面に分布するので従来の均一固溶体に較べてセリウム濃度の変更が容易になる。この助触媒を使用した試作触媒は実自動車エンジン試験において、国内法定モード規制値をクリアした。また、低温での触媒の活性を高める酸素貯蔵能(OSC)※5も改善されている。

注釈
※1セリウム・・・原子番号58の元素で、元素記号は Ce。軟らかく、銀白色の、延性に富む金属で、空気中で容易に酸化される。
※2助触媒・・・触媒成分の働きを助け性能を大幅に向上させる成分。
※3コアシェル構造・・・中心の芯と外側に殻を異なる成分を配置する構造の粒子。
※4セリアジルコニア・・・1990年代以降に酸素貯蔵能のため触媒成分として使われている組成物。酸化セリウム(セリア)と酸化ジルコニウム(ジルコニア)の固溶体/であり、排ガス浄化技術の基本材料として広く知られる。
※5酸素貯蔵能(Oxygen Storage/Release. Capacity)・・・ミクロ空間で精密に酸素濃度の制御を行う触媒の能力。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:56| 企業の取り組み 【機関別】