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2012年12月03日

【流通】富士フイルム 病変を処置する際の操作性を向上した上部消化管用処置内視鏡発売

富士フイルムは、早期がん治療の患者負担軽減をサポートする上部消化管用処置内視鏡の新ラインアップとして、病変を処置する際の操作性を向上した「EG−580RD」を、2012年11月29日より富士フイルムメディカルを通じて発売した。

近年、食道・胃・大腸の内側の粘膜にとどまっているがん組織などの病変部を開腹することなく、内視鏡で観察しながら切除する「内視鏡的粘膜切除術(EMR(Endoscopic Mucosal Resection))」や、粘膜下層を切開・剥離する「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD(Endoscopic Submucosal Dissection))」といった患者負担の少ない治療が注目されており、国内施設における症例数は、年々増加している。特にESDには、高度な技術が要求されるため、その普及には処置具や内視鏡の改良による処置性、操作性の更なる向上が求められている。

今回発売する「EG−580RD」には、スコープ先端から圧力のかかった水を噴射することで病変部や出血部位の視野を明瞭にできる「ウォータージェット機能」を搭載している。従来機種(同社製 EG−450RD5)に比べて、スコープ先端部のウォータージェットノズルの位置を処置具の出口近くに配置することで、処置時の送水性を改善しました。これにより、病変の部位を明瞭な状態で確認しながら処置できる。

また、処置具を出し入れする鉗子口径は、挿入性と吸引性を両立できる3.2mmを確保しながら、先端部径を9.8mmの細径としたほか、スコープ軟性部に適度な硬さを持たせることで操作性を高めている。さらに、スコープ先端部の上下左右の湾曲角度が広く、小回りがきくため、観察しにくい部位へのアプローチをサポートする。

この他、高い解像度を持つ独自の画像センサー「スーパーCCD ハニカム(TM)」と富士フィルムがカメラレンズの設計で培った光学技術を駆使し、内視鏡用に新開発したレンズとの組み合わせで画質を最適化させ、近接撮影における観察性能を向上させている。

富士フイルムは、これまでESD用の処置具として、ディスポーザブル高周波ナイフ「FlushKnife」、先端にボールチップを搭載した「FlushKnife BT」、垂直・水平方向からのアプローチに特化した「SAFEKnife V/H」、はさみ型の「ClutchCutter」などを発売してきた。今後も、さらなる安全性、確実性を求めてESD用処置具の商品拡充を進め、ESDの普及を目指す。

2012年9月に発売したレーザー内視鏡「LASEREO」システムや、鼻からの挿入による患者負担の少ない経鼻内視鏡、小腸の観察・処置を容易にした「ダブルバルーン内視鏡」など、独自の技術でがんの早期発見・早期治療と、患者負担の低減を目指し、今後も製品開発を進める。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| 流通