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2012年11月28日

【流通】インテック ハイブリッド方式の『スマートフォン向け屋内位置推定技術』を開発

インテックは、スマートフォンを活用した屋内位置推定技術を開発した。

iPhoneやAndroidなどスマートフォンの内蔵センサーから取得した位置情報と音波による位置補正情報を組み合わせた独自の“ハイブリッド方式”で、GPS(Global Positioning System)衛星の電波が届かない屋内や地下空間での現在位置を推定する。ショッピングモールや地下街の店舗ガイド、屋内でのスタンプラリーなど各種イベント、文化施設での案内などへの応用が期待できる。インテックはこの技術の特許を出願している。

近年、スマートフォンの急速な普及により、屋外の位置情報と連携して広告やクーポンなどを配信するようなさまざまなサービスが提供されている。これらのサービスを提供するためには、GPS衛星の電波や携帯電話基地局情報を使用した位置情報を取得することが必要だが、屋内や地下空間ではGPS衛星の電波が届きにくく、携帯電話基地局情報を使用した測位では精度誤差が数キロメートルと大きいため、屋内での位置情報の取得が困難だった。インテックは、これらの課題を解決してさまざまなサービス提供ができるよう、屋内での位置情報を取得する研究開発を進めてきた。

インテックが開発したこの技術は、歩行者自律航法(*1)により取得した相対位置情報と、音波信号技術(*2)により取得した位置補正情報を組み合わせたハイブリッド方式により、屋内や地下空間で測位をする。例えば店舗へ導入した場合、スマートフォンを持った会員が来店すると、まずスマートフォンに内蔵されたセンサーから相対位置情報を取得する。相対位置情報のみでは最大数メートルの誤差があるため、店舗内に複数設置した、人には聞こえない音波信号を発する装置から、位置を補正する信号を内蔵マイクで取得し、より正確に現在位置を推定する。

これにより、GPS衛星の電波では取得できなかった実際の来店状況が取得できるほか、地上、地下を問わずフロアごとに信号装置を設置することで、現在スマートフォンが何階のどのエリアにいるのか、という情報も取得することができる。

店舗は信号装置を設置するだけで、この技術を使ったソリューションを極めて簡単かつ低コストで導入することができる。また会員は、店舗側が提供するアプリケーションをスマートフォンにダウンロードすれば、他に周辺機器を追加することなく、その場で使えるクーポンなど店舗から配信される各サービスを利用することができるようになる。

インテックは同技術を、各種イベント企画、観光案内アプリケーションとの連携、商店街やショッピングモール、駅ビル、空港、地下街を対象としたO2O(Online to Offline)サービス(※3)の提供、屋内広告メディアなどに活用できると考えている。また、実際の店舗においてこの技術を適用できるかどうかの実証実験も進めており、実験の協力者からは「宝探しのようで楽しかった」「店舗を歩きながら特典を得られるのが面白い」などの声が寄せられた。

インテックは、この技術を活用して広告メディアの新しいスタイルを確立し、駅、空港や商店街など地域コミュニティへ貢献できるソリューションを提供する。


※1 歩行者自律航法
スマートフォンに内蔵された加速度センサーによる移動距離と地磁気センサーによる移動方位の取得により相対的な位置を推定する技術。

※2 音波信号技術
人の非可聴周波数帯を使用した音波により、情報を伝達する信号技術。

※3 O2O(Online to Offline)サービス
オンラインとオフラインの購買行動を連携させるためのサービス

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通