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2012年11月02日

【流通】日立製作所、日本信号、山梨大学 爆発物探知装置内蔵の搭乗券読取装置を試作

日立製作所と日本信号、山梨大学は共同で、空港など公共施設のさらなる安全強化を目的として、爆発物の探知装置を内蔵した搭乗券読取装置(以下:搭乗ゲート)の試作に成功した。試作した搭乗ゲートは、搭乗券として使われるICカードや携帯端末に付着した微粒子を効率的に採取し、内蔵した装置によって分析することで爆発物の有無を1〜2秒で探知する。この方式では、1時間あたり約1,200人の検査ができる。航空機などの輸送機に搭乗する直前で、ゲートを通過する乗客の流れを妨げることなく全員を対象に検査ができることから、安全強化と利便性を両立させた、爆発物持込みの防止、抑制に寄与する技術として期待される。なお、同研究開発は、文部科学省科学技術戦略推進費により実施された。

近年、安心・安全な輸送サービスの確保に向けて、航空機などの輸送機内への爆発物持込を防止、抑制するセキュリティの強化が求められている。例えば、飛行機の搭乗客が最後に通過する搭乗ゲートで爆発物の検査が可能となれば、運航の安全性は格段に高まる。しかし、搭乗ゲートには数百人規模の乗客が一斉に通過するため、従来の金属探知検査やX線検査では、検査時間の長さが課題となっていた。

今回、三者が共同で試作した搭乗ゲートには、爆発物の有無を1〜2秒で探知できる質量分析技術を用いた爆発物探知装置を内蔵している。これにより、ICカードや携帯端末の読み取りと、それらに付着した爆発物の探知を同時に行うことが可能となり、ゲートを通過する乗客の流れを妨げることなく全乗客を対象とした検査を実現する。

この装置は、将来、駅やスタジアム、イベント会場などの入場セキュリティ機器への応用も考えられることから、公共スペースの安心・安全確保に寄与する基盤技術といえる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通