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2012年05月29日

【知識】アステラス製薬 研究開発プロセスの「マルチトラックR&D」でドレイス社と提携

アステラス製薬は、ドレイス ファーマシューティカルズ社(Drais Pharmaceuticals,Inc.以下:ドレイス社)が新たに運営する会社であるテルサー ファーマ社(Telsar Pharma,Inc. 以下:テルサー社)に、アステラス製薬が創製し、潰瘍性大腸炎を対象疾患として開発を進めるASP3291の資産を移転する契約を締結した。テルサー社はASP3291の開発・商業化のために設立された会社であり、ASP3291の実際の開発実務は、豊富な臨床開発の経験を有するドレイス社が行う。

アステラス製薬は、研究開発プロセスの各段階での戦略を複線化し、革新的研究の取り込みを推進するとともに、外部のリソースを有効的に活用して、リスクとコストを管理しながら、高質かつ強固な自社パイプラインを構築する、すなわち、研究開発プロセスのマルチトラック化(“マルチトラックR&D”)に積極的に取り組んでいる。今回の提携もその一環となる。

同契約に基づき、アステラス製薬は前期第II相臨床試験準備段階にある経口メラノコルチン作動薬ASP3291に関連する全ての権利及び資産を、テルサー社に譲渡する。一方、テルサー社は、ASP3291の開発、製造、及び、商業化の全ての権利を有するとともに、それに係る費用を負担する。

同契約締結により、アステラス製薬は、テルサー社より、契約締結一時金、及び、ASP3291の売上に応じたロイヤリティを受け取る権利を有する。また、アステラス製薬はASP3291について、テルサー社が他社との提携を検討する場合、日本市場についての独占交渉権(right of exclusive negotiation)及び第一先買権(right of first refusal)、並びに、日本以外の市場についての非独占交渉権(right of non−exclusive negotiation)を有している。

なお、ドレイス社の主要株主である米国ベンチャーキャピタルのインターウエスト パートナーズ(InterWest Partners)及びサッター ヒル ベンチャーズ(Sutter Hill Ventures)が、アステラス製薬の企業ベンチャーキャピタルのAstellas Venture Management LLCとともに、テルサー社への総額14百万ドルの出資を行っている。

アステラス製薬は、今回の提携及び2011年3月のカーディウス ファーマシューティカル社との提携だけでなく、今後も新たな戦略的提携を模索することにより、“マルチトラックR&D”を積極的に推進し、多くの革新的な新薬を医療の場に提供する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識