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2012年05月15日

【アジア】東芝とシンガポール国立南洋理工大学 データセンター向け外気空調システムを共同研究

東芝は、シンガポール国立南洋理工大学と、熱帯地域におけるモジュール型データセンター向け外気空調システムについての共同研究を行う。東芝はこの研究成果を踏まえ、2012年中の東南アジア地域におけるモジュール型データセンターの受注活動開始を目指す。なお、同研究はシンガポール情報通信開発庁が行う補助金プロジェクト「グリーンデータセンター・イノベーションチャレンジ」の一環として行う。

今回の共同研究では、東芝とシンガポールの現地法人「東芝アジア・パシフィック社」が共同でモジュール型データセンターの設備を提供し、設備動作の検証を行う。南洋理工大学はデータセンターの省エネ技術に関連した多くの研究実績があり、今回大学内に試験設備を設置し、データセンターの運用試験を行う。

東芝が提供するモジュール型データセンターの空調は外気空調方式を採用しており、夏の高温期を除き、外気を活用したサーバの冷却を行うため、他の空調方式と比べ、消費電力を大幅に削減できる。

東芝の外気空調方式は、米国暖房冷凍空調学会(アシュレ)が提唱するサーバ機器の動作推奨温度・湿度範囲を基準とし、サーバに供給する空気を最適化する。従来、日本では、外気の温度や湿度に応じ、外気をそのままサーバに供給する「中間期モード」、冷たく乾燥した外気とサーバの排熱を融合し、適切な温湿度にした後にサーバに供給する「冬季期モード」、冷凍機で冷却した空気をサーバに提供する「夏季期モード」の3つのモードを用いていた。

アシュレでは、昨今のサーバなどのデータセンター内の機器の性能向上に伴い、昨年、動作推奨温度、湿度範囲が緩和された。これを受け、今回の実験では、熱帯地域における高温多湿の外気を、サーバの排熱と冷凍機による冷却を効率的に組み合わせることで、少ない消費電力で動作推奨温度・湿度範囲の空気をサーバに供給できる新しいモードを追加することにより、シンガポールをはじめとする東南アジア地域での効率的な外気空調の実現を目指す。今回の開発により、従来の空調方式と比べて、年間消費電力で約33%(※1)、年間CO2排出量で約2,800トンを削減できる見込み。

シンガポールは、政府がデータセンター誘致を積極的に進めており、データセンター市場が年々拡大している。シンガポールのデータセンターの市場規模は、2011年に約800億円だったが、2015年には約1,000億円に拡大すると予想されている(※2)。

※1:ICT機器の負荷量1,000kW規模のデータセンターにおいて、PUE(Power Usage Effectiveness)2.0から1.35へ低減した場合

※2:東芝調べ

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア