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2012年03月26日

【アジア】テルモと中国・威高(ウェイガオ)社と腹膜透析事業の合弁会社を設立

テルモは、中国の最大手医療機器メーカーである威高集団の中核事業会社である山東威高集団医用高分子製品股分(以下:ウェイガオ社)と腹膜透析事業における戦略的提携に関する基本契約を締結した。今回の戦略的提携において、テルモはウェイガオ社のグループ会社である威海威高(ウェイハイ ウェイガオ)血液浄化製品と、中国において腹膜透析関連製品の製造を行なう合弁会社「威高泰尓茂(威海)医療製品」を設立する予定にしている。

中国では現在、透析療法を必要とする末期腎不全患者が150万人いると言われており、10年以内にその数は300万人程度(※1)まで拡大すると予測されている。そのうち腹膜透析患者数は現在、約32,000人と既に世界最大規模であるとともに、その患者数は10年以内に30万人程度(※1)まで拡大すると見込まれている。また近年、糖尿病性腎症から慢性腎不全に移行し、透析を導入する患者が急増しているが、中国における糖尿病患者は、既に9,000万人を超えており、今後も拡大が予測されている。先に開催された第11期全国人民代表大会(全人代)第5回会議においても、温家宝首相が政府工作報告書で「(末期腎不全の状態である)尿毒症など8種類の大病への保障を全面的に推進する」ことを主要任務の一つに設定している。

テルモは、1980年に腹膜透析システムの開発に着手して以来、日本における腹膜透析療法の普及と発展に取り組んできた。同社は、日本で初めて従来pHが酸性であった透析液をより体液に近い中性化へと改良した透析液を開発するなど、この分野で技術的なイノベーションを主導するとともに、腹膜透析療法の普及にも積極的に取り組んできた。

今回の戦略的提携の目的は、今後急速な拡大が予測される中国の透析市場において、テルモが長年培ってきた腹膜透析の技術力と療法普及のノウハウを威高集団が有する中国全土に広がる販売網および強力な顧客ネットワーク力と組み合わせることにより、腹膜透析事業の一層の拡大を目指すことにある。同社は、合弁会社への技術・商標ライセンスの供与を行うとともに、販売・アフターサービスを実施する威海威高血液浄化製品の100%子会社である威高透析用品に営業ノウハウの提供等、販売支援を実施する。腹膜透析関連商品の販売開始は2014年を見込んでおり、2021年までに市場シェア25%、売上ベースで約400億円の獲得を目指す。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア