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2012年02月06日

【物流】平成23年における首都圏空港の輸出減少要因分析結果

平成24(2012)年1月30日、東京税関が平成23年における首都圏空港(成田空港及び羽田空港)の輸出減少要因の分析結果を公表した。

 これによると、首都圏空港の輸出総額は、9兆3,533億円(対前年伸率▲10.3%)と2桁の減少となった。これに対し、同管内の東京港の輸出総額は4兆7,082億円(同2.2%)と若干増加した。

主要輸出品目別(「IC」、「科学光学機器」、「半導体等製造装置(※1)」、「電気回路等の機器」、「映像記録・再生機器」)に対前年伸率を見ると、全ての品目において減少する結果となった。中でも、主要品目第1位である「IC」の輸出額は6,901億円(同▲28.3%)となり、パソコン需要の減退等により大幅に落ち込んだ。また、半導体製造装置やデジタルカメラ等の輸出においてコスト削減のために海上シフトが見受けられた。

首都圏空港の航空輸出で、主要品目(「IC」、「デジタルカメラ等」、「パソコン部分品等(※2)」)について減少幅を月別に見ると、4月、10・11月において顕著な動きをみせた。4月は、東日本大震災の影響により、「IC」が対前年同期伸率▲38.0%、「デジタルカメラ等」が同▲53.5%、「パソコン部分品等」が同▲46.6%となった。中でも「デジタルカメラ等」は年間の減少幅と比べ、更に26ポイントも落ち込んだ。また、10・11月はタイ洪水の影響により、「IC」が同▲33.3%、「デジタルカメラ等」が同▲44.2%、「パソコン部分品等」が同▲48.3%となった。中でも「パソコン部分品等」は、前年に比べてほぼ半減した。

全国空港における輸出総額は14兆9,858億円(同▲7.3%)となった。空港別に見ると、関西空港の輸出総額は4兆2,371億円(同▲0.6%)、中部空港の輸出総額は7,012億円(同▲5.3%)となり、首都圏空港の輸出減少幅を大きく下回った。

首都圏空港において、輸出減少の大きな要因である「IC」の輸出額(※3)は7,731億円(同▲27.8%)で、全国空港の減少品目でも1位となった。原因として、最も価格下落が激しいDRAMの割合が大きいこと、東日本大震災に伴う製造工場の操業停止などの影響が被災地に近い首都圏空港により大きく出ていることが挙げられている。また、首都圏空港における「半導体製造装置」の輸出額は2,970億円(同▲11.0%)で、全国的な世界経済の減速や東日本大震災の影響により、2桁の減少となった。これに対し、影響の小さかった関西空港及び中部空港は増加し、中でも中部空港は、輸出額が同218.7%の0.4億円と大幅に増加した。


※1:半導体等製造装置には半導体製造装置の他、フラットパネルディスプレイ製造装置等も含む
※2:「パソコン部分品等」は輸出統計品目コード8473.30号に属するもの
※3:「IC」は、首都圏空港には東京港の輸出額を加えている


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投稿者:gotsuat 09:45| 国際物流