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2012年01月20日

【知識】三菱重工業 インドL&Tグループに造船技術を供与

三菱重工業は、インドのラーセン・アンド・トウブロ社(Larsen & Toubro Limited:L&T)の造船部門会社であるL&Tシップビルディング社(L&T Shipbuilding Limited:LTSB)に対して商船建造分野の幅広い技術支援を行うことで合意し、LTSBと技術支援協定を締結する。先進企業からの技術導入により造船事業の強化をはかりたいLTSBと、技術供与を柱とするエンジニアリング事業展開を進めている三菱重工業の思いが一致したもの。ライセンス供与、LTSB技師への指導・研修を中心に支援を行う。

今回の技術支援協定は、期間3年で以降の延長も可能。三菱重工業が建造した船舶に関する設計図面の供与も含め、設計、資材調達、工作、品質管理など、幅広い領域にわたり指導する。LTSBが造船設備を拡充したり、船舶資材を海外から調達したりする場合のコンサルティングや、市場調査を行う際などのサポートも対象となる。三菱重工業はLTSBから、支援内容に応じて対価を受け取る。また、同社とLTSBは今後「三菱重工業の技術支援を受けたLTSBでの建造」として船舶の共同受注活動を行っていく。

協定締結を受け、三菱重工業は2012年春に長崎造船所および下関造船所で、LTSBの技師を受け入れ、教育研修を開始する。併せて、LTSBへ同社の各事業所の設計、工作、品質管理におけるベテランを派遣して指導にあたる。

L&Tは、西海岸の国際都市ムンバイに本社を構え、建設事業を展開するだけでなく、造船や化学プラント機器、原動機、電子製品なども手掛ける総合重機メーカー。当社はL&Tと2007年から、原動機分野で合弁事業を進めており、友好関係にある。LTSBの造船所は北西部のグジャラート(Gujarat)州ハジラ(Hazira)と東南部のタミル・ナードゥ(Tamil Nadu)州チェンナイ(Chennai)市郊外のカトゥパリ(Kattupalli)の2ヵ所にあり、新鋭のカトゥパリ造船所は、2012年1月に本格稼働を開始する。

インドは、経済成長に伴うインフラ整備に関連し、海運産業発展の前提となる港湾施設などの基盤整備、海運・造船業の育成について、国が成長戦略に掲げてこれから力を入れていく段階にあり、インド造船業界も今後の発展に向けて、グローバル競争に対応できる技術力の蓄積が課題となっている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識