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2011年11月17日

【知識】クォーツリードと日本大学理工学部 核融合発電に関する共同開発を開始

大日本スクリーン製造・100%子会社のクォーツリードと日本大学理工学部理工学研究所は、二酸化炭素や高レベル放射性廃棄物を排出しない次世代のクリーンエネルギーとして期待される、核融合発電に関する共同開発を開始した。

核融合発電は、水素やヘリウムなどを燃料とする核融合反応を利用したもので、ポリタンク1本分の海水から250本分の石油に相当するエネルギーが得られるほか、温室効果ガスである二酸化炭素や核分裂反応による高レベル放射性廃棄物を出さないため、安全でクリーンなエネルギーとして大きな期待を集めている。しかし、超高温のプラズマを閉じ込める大型核融合炉の実現には今なお課題が多く、実用化に向けた研究が世界各国で進められている。

このようなエネルギーを取り巻く動向を受け、クォーツリードと日本大学理工学部は、高温のプラズマを閉じ込める炉心の大型化に関する共同開発を2011年11月に開始。クォーツリードが長年培ってきた石英ガラス(クォーツ)加工のノウハウを最大限に活用し、磁場の影響を受けず、また機械的強度や耐熱性などに優れた大口径の石英製真空容器の製造を可能にした。これまで日本大学理工学部では、原理的に閉じ込め効率が最も良いとされる磁場反転配位(FRC)方式(※)の研究を進めていたが、高周波磁場を利用することから真空容器に金属が使えないため、装置設計などにおいて制限があった。しかし、今回開発した大口径の石英製真空容器により、国内最大規模のプラズマ閉じ込め容器を持つFRC実験装置が実現したため、この新たな装置を活用し、核融合発電の効率化に向けた実験をより一層推進することが可能になった。

クォーツリードと日本大学理工学部は開始した共同開発を通して、クリーンで安全なエネルギー源として期待の高まる核融合発電における、新たな技術の確立を目指し、今後も未来技術の実用化に向けた研究開発を推進する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識