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2011年06月23日

【物流】JILS 2010年度 物流コスト調査報告書公表

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が、2010年度物流コスト調査結果をまとめた。

同調査は、通商産業省(現:経済産業省)が定めた『物流コスト算定活用マニュアル』に準拠して物流コストの実態把握を行うとともに、多面的な調査により日本の物流コストに関する総合的な基礎データを蓄積することを目的としている。

調査は757社を対象に、平成22(2010)年11月〜平成23(2011)年12月にかけてアンケートを実施、回収出来た218社(回収率28.8%)の結果を整理・集計・分析している。

これによると、2010年度の全業種における売上高物流コスト比率は4.79%で、2009年度に比べ0.02ポイント上昇した。

売上高物流コスト比率を業種大分類別で見ると、製造業・非製造業ともに4.79%、卸売業が5.11%、小売業が4.19%となった。さらに業種小分類別で見ると、製造業の窯業・土石・ガラス・セメントが11.44%、小売業の通販が11.75%となり、それぞれ売上高の1割以上を物流コストが占める結果となった。卸売業は最も高いもので繊維衣料品系が7.92%となった。

売上高物流コスト比率は長期的に低下傾向にあるが、近年はおおむね5%弱の水準で一定している。

また、物流コストに占めるリバース物流コストの割合は、3.55%で、2009年度に比べ0.09ポイント上昇した。

領域別に見ると、返品・返送物流費が2.20%、回収物流費が1.02%、リサイクル物流費が0.10%、廃棄物流費が0.22%となった。

1999年度〜2010年度の推移を見ると物流コストに占めるリバース物流コストの割合は概ね3.0%〜4.0%のレンジで推移している。2009年度には3.46%と2008年度の2.88%から大きく上昇したが、要因として、返品による物流コストが極めて高い、書籍流通業が加わったことなどが挙げられる。

物流コスト削減策の実施状況では、「在庫削減」(133社)がトップで、「積載率の向上」(115社)、「物流拠点の見直し(廃止・統合・新設)」(108社)と続いた。

 なお、同調査には東日本大震災の状況は反映されていない。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:45| その他